GfKジャパンは8月14日、「2017年上半期 家電・IT市場の販売動向」を発表した。同調査は、全国の有力家電・IT取扱店(家電量販店、地域家電店、総合量販店、カメラ専門店、携帯電話専門店、ネット通販等)からPOSデータ等を収集。統計的な手法に基づき全国市場規模相当に拡大推計したもの。
国内家電流通
2017年上半期の家電小売市場は、前年並みの販売水準となった。ここ数年低調だったAV、ITの市場縮小に底打ち感が見られ、2017年通年の見通しとしては、2016年の市場規模7兆円をやや上回ると予測。7月の猛暑を受け、足元で季節家電の販売が前年を大きく上回っていることも押し上げ要因といえる。
販売形態では、インターネット販売が緩やかではあるものの成長を維持しており、2017年通年の家電小売市場における金額構成比は13%程度を見込んでいる。
AV市場
2017年上半期のAV市場は、4Kテレビ、マルチチューナー搭載BDレコーダー、Bluetoothオーディオといった高付加価値製品の販売伸長に下支えされ、縮小に歯止めがかかった。
薄型テレビの販売台数は前年並みの240万台で、エコポイント等の後押しがあった2009年頃に購入されたテレビの買い替え需要が徐々に顕在化しているよう。4Kテレビについては40~45インチなどの小型サイズが好調で、販売台数は前年同期の1.6倍となる70万台に。薄型テレビに占める4Kテレビの構成比は数量ベースで29%、金額ベースでは59%に達した。有機ELテレビは、数量構成比は薄型テレビ全体の1%未満であるものの、販売数量は前年同期の9倍に増加。こうした大画面製品の販売好調により、薄型テレビの税抜き平均価格は7万2,700円と前年同期から2%上昇。結果、薄型テレビの金額前年比は1%増となった。
BD/DVDについては、BDレコーダーが前年比4%減の90万代、DVDプレーヤーが同4%減、BDプレーヤーが同2%減となり、全体では同4%減の180万台となった。BDレコーダーでは、安価なシングルチューナー搭載機やダブルチューナー機が縮小した一方で、3基以上のチューナー搭載機は26%(同21%)へ拡大。結果としてBDレコーダーの平均価格は前年同期から1%上昇した。
ヘッドホン/ヘッドセットは、前年比5%減の940万本。数量ではマイナス成長となったものの、高付加価値製品の伸長により平均価格が上昇したことで金額ベースでは同3%の増加。ワイヤレスタイプの需要拡大が顕著で、特にBluetooth対応機は数量前年比38%増となり、市場における構成比は数量ベースで20%、金額ベースで39%へ拡大した。
テレコム市場
携帯電話については、フィーチャーフォンが数量前年比13%減となったものの、携帯電話販売の86%を占めるスマートフォンが1,280万台(同+2%)と下支えし、全体では前年から横ばいの1,480万台となった。契約種別毎に前年比をみると、機種変更が横ばいであったのに対し、MNPを含む新規契約は8%の減。一方で、SIMフリースマートフォンは数量構成比でスマートフォンの8%を占めるまでに拡大した。
ウェアラブル端末は前年比13%減の50万台。スマートウォッチは丸型ディスプレイタイプの販売好調により数量前年比38%増、スポーツウォッチは同18%増と前年を上回ったが、一方で、フィットネストラッカーは39%の減少に。ウェアラブル端末の平均価格は、単価の高いスマートウォッチとスポーツウォッチの構成比拡大により、前年同期から3割超上昇する結果となった。