7月11日から28日にかけ、東京ビックサイトにて、日本最大の総務・人事・経理部・経営者向け総合展「総務・人事・経理ワールド 2017」が開催された。昨今は長時間労働や時間外労働が問題視されており、対策として「働き方改革」を推進する企業が増えている。本稿では、多くの出展社の中から、働き方改革をテーマとして出展を行ったブースをレポートしていきたい。
「働き方改革」の実現に頭を悩ませる日本企業
近年の「総務・人事・経理ワールド 2017」では、働き方改革が一大テーマとなっている。同イベントの数あるEXPOの1つとして「第4回ワークスタイル変革EXPO」も開催されており、その他のEXPOでも働き方改革をテーマとした出展が目立った。
勤怠管理システム「TimeWorks」を展開する富士通マーケティング
富士通マーケティングのブースでは、長時間残業抑止の第一歩として、「TimeWorks(就業管理)」を展開していた。時間外労働に関する数々の問題が露呈した現在、退勤の打刻だけでは残業の管理ができないことは周知の事実。そこで、TimeWorksは隠し残業対策としてPCの電源ON/OFFやゲート通過などさまざまな方法で打刻される仕組みを備えた。また打刻と残業時間に剥離がある場合や、労働時間に著しく差がある場合などに、上長にアラームを出す機能も搭載。これを無視した場合、管理者の問題ともなるというわけだ。
また、統合業務ソリューションである「GLOVIA」の新シリーズ「GLOVIA iZ」も大きく紹介されていた。コミュニケーション機能と業務システムを連携することによって、日常業務での指示や報告、確認の自動化を実現することで従業員のタスクを管理。進捗状況を可視化することでワークスタイルを変革することを目指す。
テレワークの課題解決を目指すNTTテクノクロス
NTTテクノクロスでは、働き方改革のカギとしてテレワークをフィーチャー。課題解決の手段として、リモートアクセス「magicConnect」、Web会議「meetingplaza」、グループチャット「TopicRoom」をアピールする。「magicConnect」はファイヤーウォール不要でリモートアクセスが行えるソリューション。マジックコネクトサーバが手元の端末と会社のPCの接続を仲介する仕組みで、USBキーを挿すだけで簡単に利用できる。またタブレットなどのモバイル端末での接続にも対応しており、仮想マウスで直感的な操作が可能だ。
「meetingplaza」は、NTTの研究所で開発された独自のエコー/ノイズキャンセラによる高音質がウリのWeb会議システム。モバイル機器にも対応し、音声だけでなくファイルやデスクトップ画面の共有にも対応、働き方改革とペーパーレスを目指す。また「TopicRoom」は、"NTTのクラウドサービス等の教務利用におけるセキュリティガイドライン"に準拠し、安全性を核としたグループチャットだ。
勤怠管理と健康管理を提案するソニー
ソニーのブースでは、ソニーネットワークコミュニケーションズの勤怠管理システム「AKASHI」をフィーチャー。PC、iPad、スマホでの打刻に対応し、スマホのGPS情報を使い位置情報も記録でき、残業に対しアラートの設定も可能。同社の各種アプリケーションにも通じたスマートなインタフェースが特徴だ。またクラウド人事・労務管理ソフト「SmartHR」との連携機能も備える。
労務連携、勤怠管理を主軸としていたソニーブース。クラウド型勤怠管理システム「AKASHI」の斬新なインタフェースに、来場者はこぞって足を止めていた
さらに、ソニーモバイルコミュニケーションズでは、従業員の生活習慣の改善や体調不良の原因発見のためのツール「Work Performance Plus」を展開。これは食事の写真を撮影するだけで食事内容を送信するアプリやウェアラブルデバイスからの情報をもとに、管理栄養士からのオンライン個別指導やソフトでの評価が受けられるというサービスだ。従業員が抱える健康問題やストレスに対応することで、生産性や職場の雰囲気を改善することを目指す。