CPUの取り付け方法もユニーク - 付属のトルクスドライバーが便利

ついでにCPUの取り付け方法も紹介する。今回筆者は通常のCPUと同じ取り付け方としたが、AMDやマザーボードメーカーはキャリアフレームを使った装着方法を強く推奨していることを留意してほしい。最初はこんな具合(Photo16)に、ソケット全体がトルクスねじで留まっているので、Photo07にあるトルクスドライバーでねじを外す。するとプラスチックの保護カバー1がある(Photo17)ので、ラッチを外してカバーごと跳ね上げ(Photo18)、そのまま上方に引き抜く(Photo19)。

Photo16:ソケットにも記載があるが、あけるときは右下の3番、ついで右上の2番、左の1番という順にねじを外す。閉めるときは逆順

Photo17:左に青い部分があるので、これを内側にちょっと引っ張るとラッチが外れる

Photo18:ダブル保護カバーという念の入った構成

Photo19:保護カバー1を抜くと、細い枠だけが残る感じになる

グレーの保護カバー2を外すと、ソケットが出現する(Photo20)。あとはThreadripperを収め(Photo21)、逆の手順でメタルカバーをねじ止めして完了である(Photo22)。ソケットには水冷ヘッド用ブラケットを止めるねじ穴も用意されており、簡単に装着できる(Photo23)。

Photo20:よく見ると一部のピンは方向が異なっているのが分かる。電源あたりだろうか?

Photo21:切り欠きがあるので、逆向きには搭載できないようになっている

Photo22:1→2→3番の順でねじ止めするが、1番をいきなりフルトルクでねじ止めすると、2番と3番が留まらないことがあるので、まず1を軽くねじ止め、2番と3番も同じく軽くねじ止めして3つのねじが全部留まってから、全部のねじ均等に締めこんでゆき、最後にトルク一杯まで締めて完了である

Photo23:これは撮影用にブラケットだけ先に止めてみた図だが、実際にはまずブラケットにヘッドを通しておき、その状態でソケットに取り付けるほうが楽

さて、その他のものについても紹介する。マザーボードは、ASUSのROG ZENITH EXTREMEをお借りした(Photo24)。部品配置は常識的というか、あまり飛びぬけたものは無い(Photo25)。裏面はこんな感じ(Photo26)で、左半分を覆うシールドが目に付くが、CPUソケットのバックパネルのごつさもなかなか目を引く。CPUへの電源供給は8way構成だった(Photo27)。

Photo24:パッケージはROGおなじみの赤黒

Photo25:右上の、ATX12Vの8pinコネクタが2つ並んでいるのが分かる。ちなみに両方繋がないと起動しないらしい

Photo26:この配置だとPCI Expressスロットに実際どれだけの信号線が来ているか良く分かる。上からx16、x8、x4、x16、x1、x8である

Photo27:Intel系と異なり、Ryzenでは最終的な電圧調整はダイ上のLDOで賄っているので、外部からは0.9Vを供給する(変動が無い)だけで済むので、あまり電源のPhaseを増やす意味はない

バックパネルは一体型になっており、取り外しできないのは便利と思うべきかどうか(Photo28)。ケースへの組み込み時にちょっと苦労しそうな感じではある。一方ストレージはSATA×6とU.2という常識的な構成(Photo29)。

Photo28:さすがにPS2コネクタは全廃された。USB 3.1 Gen2ポートも搭載されている

Photo29:写真の右端に、縦方向に設置されたUSB 3.1 Gen2ポートが見える

ちなみに普通だとPCIe x16スロットの間に配されることが多いM.2 ソケットだが、ROG ZENITH EXTREMEではそれがない(Photo30)。一応チップセットのカバーを外すと1基登場する(Photo31)ほか、DIMMスロットの右(Photo25でDIMMスロットと電源コネクタの間)にDIMM.2スロットがあり、ここにアダプタ(これは付属する)を介してM.2 SSDを2枚装着可能となっている。

Photo30:PCIe x4/x1コネクタとかもあるためだろう。ただ現実問題、ビデオカードで炙られる位置にM.2ソケットがあるのはあまり歓心しないのは事実だ

Photo31:これ、ワンタッチで跳ね上げられるようになっていればもっと便利だったのだが

メモリは今回、DDR4-3200駆動が可能なF4-3200C14D-16GTZRが2セット同梱された(Photo32)。1.35V駆動でDDR4-3200 CL16が可能(Photo33)という製品である。ただ今回は他の環境をDDR4-2666で統一したこともあり、テストはDDR4-2666で実施した(Photo34)。

Photo32:はっきり言って「まぶしい」

Photo33:SPD情報はこんな感じ

Photo34:実際のメモリ設定。DDR4-2666 CL16設定。ちなみに電圧は1.20Vで動作した

CPUクーラーはThermaltakeのFloe Riing RGB 360 TT Premium Edition(Photo35)、電源は同じくThermaltakeのToughpower iRGB PLUS 1250W Titanium - TT Premium Edition(Photo36)が評価キットに付属してきたので、これをそのまま利用した。なお、他にストレージとしてSamsungの960 PRO M.2 SSD(512GB)も評価キットに含まれていたが、環境をそろえる意味で今回は利用していない。

Photo35:120mmφファン3つが付属する。ファンに電源供給するBoxにはUSB Type-Cコネクタがあり、これ経由でファンの色調整(パッケージにあるように、フルカラーで光る)も可能らしい(試してはいない)

Photo36:右下の袋はケーブル入れ。完全にモジュラケーブル構造になっており、付属するケーブル類もかなりの量がある

その他のテスト環境は表1の通りである。今回のPreviewでは比較対象をCore i9-7900XとRyzen 7 1800Xのみとした。また(詳しくは完全編でご紹介するが)Ryzen Threadripperは、すべてDistributedモードのみで利用し、Localモードは試していない(というか、今まさにLocalモードのデータを取っている最中である)。

CPU Core i9-7900X Ryzen 7 1800X Ryzen Threadripper 1920X
Ryzen Threadripper 1950X
M/B MSI X299 GAMING M7 ACK
(BIOS 7A90c12)
ASUS CROSSHAIR HERO VI
(BIOS 1403)
ASUS ROG ZENITH EXTREME
(BIOS 9960)
Memory Kingston KVR26N19S8/8
(DDR4-2666 CL20 8GB×4)
G.Skill F4-3200C14-16GTZR
DDR4-3200 CL14 8GB×4(DDR4-2666 CL16で利用)
GPU NVIDIA GeForce GTX 1080 Frontier Edition
(GeForce Driver 384.94 WHQL)
Storage Intel SSD 600p 256GB(M.2/PCIe 3.0 x4) (Boot)
WD WD20EARS 2TB(SATA 3.0)(Data)
OS & Software Windows 10 Pro 64bit 日本語版 Version 1703 Build 15063.413
.NET CLR 4.0.30319
Java Version 1.8.0_132 64bit

なおグラフの表記は

  • i9-7900X : Core i9-7900X
  • R7 1800X : Ryzen 7 1800X
  • TR 1920X : Ryzen Threadripper 1920X
  • TR 1950X : Ryzen Threadripper 1950X

をそれぞれ示している。