既報の通り、AMDはハイエンドデスクトップ向けCPUである「Ryzen Threadripper」を8月10日22時に発売する。マザーボードベンダー4社からは、これに合わせて本日よりX399チップセット搭載マザーボードを出荷する事を発表しており(ASROCKASUSGIGABYTEMSI)、この記事が掲載されるころには、Threadripperと対応マザーボードを手にしている方もいると思う。

今回は事前にThreadripper 1920Xと1950Xを試用することができたので、まずはPreview版ということで簡単にアプリケーション性能についてお届けしたい。

チップやパッケージ同様に"デカい"評価キット

評価キット一式として我が家に届いたのがこれである(Photo01)。CPUが入るスーツケース(Photo02,03)を開くと、Threadripper2つと文鎮が鎮座している(Photo04)。Threadripperはごらんのような発泡スチロールのケースに収まっており(Photo05)、後ろ側にCPUが配される(Photo06)。

Photo01:上からメモリ、電源、CPU×2(スーツケース内)、マザーボード、CPUクーラー。手前の猫(チャシー先生)は含まれない

Photo02:幅420mm、高さ540mm(いずれも実測値)。デカい

Photo03:奥行きは290mm(実測値)。後端にはキャスターもついているので、引っ張って転がすことが出来るが、何か間違っている

Photo04:ヒンジ部にスイッチがあることから分かるように、おそらくオープンすると音とか光が再生されるのであろうが、筆者の手元に評価キットが届いた時点で既に電池切れになっていたようで、何も起きず

中身はCPUとマニュアルのほか、水冷クーラー用の取り付け金具とトルクスドライバーが同梱されている(Photo07)。対応するのは一般的な丸型の水冷ヘッドのみで、そのほかのものについては今後各メーカーから対応金具がリリースされることになると思う。

Photo05:発泡スチロールのカバーの中に、プラスチック製のケースが収められている形

Photo06:背面から。発泡スチロールは上下に分割になる(このアングルだと、分割線が薄く見えると思う)

Photo07:トルクスドライバーはトルクドライバー(ある程度以上の力をかけるとスリップする)の機能も内蔵されており、適正トルクでの締め付けが可能になる。正直これはかなり使いやすかった

今回利用したのは16core/32threadのRyzen Threadripper 1950Xと12core/24threadの1920Xの2製品(Photo08,09)。手に持つとずっしりとした感触があるが、実際に測定してみたら135gもの重さがあった。CPU-Zでの表示はこんな感じ(Photo10~13)。Windows 10 ProからはどちらのCPUも問題なく認識された(Photo14~15)。

Photo08:よく見ると、一番上の"AMD Ryzen Threadripper 19xxX"はロゴの書体が異なっている。製品版と見られるだけに、ちょっと意外

Photo09:底面はこんな感じ。チップコンデンサの数は変わらず

Photo10:Ryzen 7 1800Xの評価時と比較すると、RevisionがB1になっているのがわかる。ところでCore Voltageはなんでこんなに高いのだろう?

Photo11:L3が32MBという、通常のデスクトップPC向けプロセッサではまず見かけない数字に

Photo12:Threadripper 1920Xも概ね同じ

Photo13:L3の容量は変わらず

Photo14:論理CPUが32個に

Photo15:こちらは24個で「まだ少ない」と思うか、「十分多い」と思うか、微妙なところ