約10分の休憩を挟んで、ここまで完成させて約2時間半。完成したカスタム Appは営業がiPadごと持ち出して利用するのに十分な機能があるものだ。もちろん、実際に使おうとすれば、細かなカスタマイズや機能の追加が必要になるだろうが、その多くがここまで紹介してきたようにコードをほとんど書くことなく、マウス操作だけで実現できる。さらに、製品に付属するだけでなく、インターネットにアップロードされた数々のテンプレートも利用できる。実際にカスタム Appを作ってみれば、FileMaker Proの持つ柔軟性と容易さに改めて驚くだろう。

もちろんこのセミナーだけで誰もがカスタム Appをバリバリ開発できるようになるわけではないが、一度手順を踏んでおけば、次にするべきことの道筋が見えてくる。単に体験するだけでなく、さらなるステップアップのためのヒントも随所に散りばめられており、実に内容の濃いセミナーだった。

FileMaker Proを使ったカスタム Appの長所は、これまでの業務システムを一切変更することなく、追加する形で業務効率の改善を図れるところだ。一人しか変更できなかったExcelファイルを、チームでアクセスできるデータベースに変更し、モバイルを活用できるようにするだけで、作業効率は大幅にアップするだろう。しかも自分たちの手で、日々環境を改善していけるのだ。

また、先日新たにスタートした「FileMaker Cloud」を使えば、社内にFileMaker Serverを設置しなくても、クラウド上のFileMaker Serverを使った運用が可能になる。外部からアクセスできるサーバーを社内に設置するのは、コスト面だけでなくセキュリティ面などからもなかなか面倒な案件だが、クラウドを利用すれば、いずれの懸念も解消する。

もし現在の業務環境に問題があり、改善策を考えているなら、ぜひFileMaker Proの導入を検討し、今回のようなセミナーに参加していただきたい。3時間を費やすに値する体験になることは請け合いだ。百聞は一見に如かずとはよく言われるが、まさに「一度体験してしまえば納得」の内容を、体験しないのはもったいない。