建設業界における革命となるか
すでにコマツは「SMART CONSTRUCTION」を展開しており、今年6月末までの段階で採用された工事は3303件に上るという。すでに実績が構築されており、4社によるJV体制でオープン化された後も、着実に採用は増えていくだろう。あらゆる建築関連のデータを3D化して繋いでいくという発想は、単に開発中の効率アップだけでなく、再開発時や災害時、修復時などにも役立つはず。政府の肝煎りもあり、建設業界全体がこうした流れに向かうのはもはや確実と言えるだろう。
問題は、オープン化によって4社以外にどれだけの企業が参入してくるか、だろう。たとえば用途などは違うとはいえ、ステレオカメラによる実地形の3Dデータ化は、たとえばグーグルなどがすでに着手している。機材メーカーとしては、同じような技術が複数あっても、結局生き残るのはそのうちの1つか2つになることが多いため、投資先として考えるとライバルが多いのは不安が残る。
そしてユーザー側の問題は、予算が限られる中・小規模な業者の多い土木・建築業で、どこまでこうした設備が浸透するかだ。たとえばステレオカメラなどが建機やダンプカーの標準装備になれば、ある程度の時間はかかるものの、データ化への道筋は立てやすい。しかし追加投資が必要になるとすれば、零細企業の場合はそこまで手を出せない、というケースも多い。大きな工事であれば一次請負がレンタルするなどの手段もあるだろうが、いずれにしてもコスト面の問題は残る。
工事のあらゆる状況をデータ化するというLANDLOGの目標は大いに注目されるものだが、国際標準などの動向も踏まえつつ、まずは日本でのいち早い普及が望まれる。4社連合がどのような普及戦略をとってくるのかが興味深い。