サンディスクとWD、双方のファンに応える2ブランド展開
説明会では、ウエスタンデジタル クライアントソリューション部門 プロダクトマーケティング担当バイスプレジデントのスヴェン・ラスジェン氏により、各製品の特徴などが説明された。
今回発表された2製品の最大の特徴は、64層3D NANDフラッシュメモリを採用する点だが、これについてラスジェン氏は、「2D NANDフラッシュメモリは物理的な限界に近付きつつあるため」と述べる。2D NANDフラッシュメモリは現在、製造プロセスが15nmにまで微細化されているが、これ以上の微細化は技術的に難しい。さらに、セルあたりの容量を増やすにしても、製造プロセスの微細化に比例して耐久性が低下するため、物理的な限界が近いという。
それを解決するために、64層3D NANDフラッシュメモリを採用することになった。セルを64層まで積層することによって、製造プロセスを微細化せずに大容量化が実現できるため、容量、寿命とも有利になる。実際に、今回発表された2製品では、競合製品に対して総書き換え容量が優れていることを示しつつ、優位性が高いと説明した。加えて、6月には次世代となる96層3D NANDフラッシュメモリの製造について発表していることも取り上げ、将来の3D NANDフラッシュメモリを採用する製品の拡充についても示唆した。
速度についても、インタフェースとなるSATA 6Gbpsのほぼ上限の速度が発揮されると説明。競合製品と比べても、ベンチマーク結果が優れているとし、「自作PCユーザーやカジュアルゲーマー、ビジネスユーザーが求める性能を提供し、快適な環境が構築できる」(ラスジェン氏)と説明した。
今回、仕様のまったく同じ製品を、サンディスクブランドとWDブランド双方で発売することについては、「世界的なマーケット調査によるもの」(ラスジェン氏)と述べた。グローバルでのブランド調査では、WDブランドの製品は自作PCやPCアップグレード用途で人気となっているのに対し、サンディスクブランドの製品はモバイル分野で高い人気を得ているというように、ユーザー層が明確に異なっているとのこと。そこで、双方のブランドのファンに対して製品を提供することで期待に応え、相乗効果を狙う。
さらに、日本ではサンディスクブランドのSSDが上級自作PCユーザーやハイエンドゲーマーなどに人気があることも認識しているそうだ。今後サンディスクブランドでは、品質と性能がともにナンバーワンという部分にこだわった製品を展開していきたいとした。
今回発表された2製品は、双方ともPC/家電量販店やオンラインショップなどで販売される。チャネルを明確に区別して販売することはないとのことで、量販店では双方のブランドを並んで販売することになるという。これによって、双方のブランド認識度も高めていきたいとした。