スポーツを楽しみながら、あるいは車や自転車を走らせながら撮影できるアクションカメラやウェアラブルカメラは、これまでにエレクトロニクス系、カメラ系のブランドから数多く登場している。そんな中、「ウィンクでシャッターを切る」という一風変わったウェアラブルカメラが誕生した。日本のベンチャー企業が開発した「BLINCAM (ブリンカム)」だ。
今回レポートするBLINCAMは、筆者がクラウドファンディングサイトの「Makuake」で見つけて自腹で購入したものだ。ちなみに、筆者はマリンスポーツやサイクリングを頻繁に楽しむようなアウトドア派ではない。それでも購入に至ったのは、何より「ウィンク」による操作を体験してみたかったからだ。また、メガネのテンプルに工具を使わず簡単に装着でき、日常のシーンをブックマークするという、気軽さを追求したコンセプトにも興味をひかれた。
BLINCAMは最大5MPまでの静止画撮影に対応しており、特許出願中の「ウィンクセンサー」でシャッターを操作する。ウィンクセンサーの仕組みは詳細が明らかにされていないが、まぶたの動きではなく、ウィンクした時にこめかみにシワを寄せる筋肉の動きを検知しているようだ。ウィンクが苦手な人も、両目をしっかりと閉じる動作でセンサーが反応してくれるので安心。通常のまばたきで毎度反応しないよう、アルゴリズムもチューニングされている。また、本体には1.5時間の連続使用に対応するUSB充電式のバッテリーを内蔵する。
BLINCAMは日常のワンシーンを静止画でクリップすることをコンセプトにしているため、動画撮影は行えない。専用アプリ「BLINCAM」をインストールしたスマホをBluetoothでペアリングすると、静止画を撮るたびデータがアプリに一時的にキャッシュされる。ユーザーはプレビューを見ながら写真データの保存や削除、SNSへのアップロードなどを操作可能。また、写真をシングルタップすると、写真に日付を入れて簡易なエフェクトをかけられる。
BLINCAMを装着するメガネは、テンプルの形状がなるべくストレートであることが条件になるが、度が入った普段使いのものでもサングラスでも構わない。付属するラバー製のアタッチメントを交換すれば、テンプルの幅に合わせて着け心地をアレンジできる。ただし、カメラを装着できるのは右側のみで、左側には対応しない。筆者の場合、ウィンクはどちらかと言えば左目の方が得意なので、左右どちらにも装着できるデザインを採用してほしかった。
カメラをテンプルに乗せるように装着するため、着脱はとてもスムーズにできる。重さもわずか25gなので、身に着けていて重さを感じることはほとんどない。ただ軽快である反面、頭を激しく動かすとカメラの位置がずれたり、場合によっては落下する心配もあるので、スポーツをしながらBLINCAMを使うのであれば、固定するためのバンドなどを自分で調達する必要がある。