LINEが残した不安
全体としては好調が続くLINEの決算だが、冒頭に記したとおり、主要4カ国の月間アクティブユーザー数(MAU)が初の減少に転じ、先行きに一抹の不安を残すことにもなった。LINEが力を入れる、日本、台湾、タイ、インドネシアにおけるMAUは前四半期に比べ200万人減少の1億6900万人となった。日本では200万人増加しMAUは7000万人に到達したが、台湾、タイ、インドネシアで400万人減少したという事実は見過ごせない。
26日に行った電話会見でLINEの出澤剛社長は「メッセージ数やアクティブ率(DAU/MAU)は上がっている。LINE Todayが大きく伸びており、(コンテンツを活用した)スマートポータルの取り組みがユーザー拡大につながる」とコメント、挽回の余地があることを指摘した。
しかし、ユーザーの減少は気がかりだ。いくらアプリが活用されていようとも、そのベースが減少し続けるならば、ビジネスを展開しても影響力、収益性は落ち込んでしまう。Facebookなど別のアプリが3エリアで影響力を拡大している可能性もある。また、主要4カ国を足固めして、他のアジア地域にも進出をかけていくという、昨年7月の上場時に披露した戦略にも変化を及ぼす可能性もある。LINEの今後のビジネスの展開や成長余力を見る上で、MAUの変動には注目しておきたいところだ。