パナソニック システムソリューションズ ジャパンは7月20日、同社の事業戦略などについて説明。2016年度実績で2879億円の売上高を、2018年度には3200億円へ引き上げる計画を明らかにした。
同社は、日本マイクロソフトからパナソニック入りした樋口 泰行氏が率いるコネクティッドソリューションズ社傘下の組織。傘下内の子会社で最大規模の売上高を誇り、売上高、利益ともに、コネクティッドソリューションズ社の成長を牽引する役割を担う。パナソニック システムソリューションズ ジャパンとは、果たしてどんな組織なのか。
インフラシステムからPOS、物流まで、多彩なソリューションを用意
同社は従来の「パナソニック システムネットワークス」を再編したもので、2017年4月付で社名を変更して独立・法人化したB2Bソリューション特化の組織だ。約4500人の社員のうち、システムエンジニアが25%、フィールドエンジニアが27%を占めるなど、約半数をエンジニアで構成しており、全国70拠点を通じてソリューションおよびサービスを提供する。
パナソニック システムソリューションズ ジャパン 社長の片倉 達夫氏は、「日本国内の官公庁や法人ユーザーを対象に、パナソニックの持つ技術や製品と、ICTサービスインテグレーションを結びつけ、経営課題を解決する企業」と位置づける。「パナソニックのコアプロダクツを軸に、システムインテグレーション、設置・施工、保守メンテナンス、クラウド運用サービスなど、国内向けB2Bソリューションを提供する」(片倉氏)という。
長年の実績では、公共インフラ分野において「自動化交通情報システム」や「ETCシステム」、社会インフラ分野では「ニュース番組編集 送出システム」や「放送用カメラ装置」などで実績を持つ。また、外食分野では日本初だった「スーパー向けPOSシステム」や「ファストフード向けPOSシステム」、物流分野向けでは「ドライバー向けハンディーターミナル」などで実績を持つ。
昨今では官公庁向けに、「防災行政無線システム」や「高機能型観光案内標識」「パスポート審査システム」を納入。社会インフラ向けには、センサーを利用した「混雑検知システム」や、堅牢タブレットを活用した「設備保守・作業支援システム」などを提供している。
ほかにも、東急電鉄とは、2017年4月に光ID技術である「LinkRay」をコアに置いたマーケティング会社「リンクレイマーケティング」を合弁で設立。LinkRay対応のサイネージや交通サインなどを活用した各種ソリューションパッケージの提案も開始している。
さらに、物流・製造分野向けに「工場作業分析カメラシステム」や「生産ラインネットワーク監視カメラシステム」「アクティブタグ入室管理システム」「統合輸配送支援システム」などを提供。金融分野では、遠隔地から画面を通じてオペレータが支援する「シェアコン(Share Consulting System)」や「モバイル決済端末」「窓口業務支援システム」などを提供。スタジアムでのチケットティングシステムでも実績を持つ。
「ビジネスの最前線であるリアルな現場で発生している課題を解決することができる体制を持っているのが強み。さらに、現場が全国に広がる場合にも、全国70拠点から社員であるエンジニアが直接対応する。そして、顧客の最新課題に先進技術で対応するためにイノベーションセンターを擁しており、業界最高水準の画像認識精度や業界トップクラスの無線・アンテナ技術などを活用することで最新の課題を解決する新たなソリューションを創出できる」(片倉氏)