ところでお金を使うということは、将来の自分や家族への「投資」の一面もあると考えられないでしょうか。投資ですから当然リターンを求めます。それが、究極的には自身が幸せを感じることができる目的につながっていきます。
投資かどうかは主観によるものなので、自分がそう感じればデートも遊びも旅行も投資でしょう。ただ、たまにはガス抜きも必要でしょうから、その線引きは微妙ですが。
将来への「投資」としてお金を使う
お金を使うためには資産を作っていかなければなりません。では資産をどう作っていくのかということですが、これは「本業」をいかに充実させていくかにかかっているのではないでしょうか。
はやりの副業などによって小遣い稼ぎなどをして生活費に多少のプラスをすることは、果たして自分の価値を高めるでしょうか? 投機的な行為によって一財産つくることを目指すのも同じでことですね。その時間があったら、全力で今の仕事の能力アップを心掛けることの方が大事であって、それが自分の価値を上げる近道です。
市場での自分の価値が上がれば転職するにしても視野が広くなるでしょうし、自分がより充実感を得られる仕事に近づいていくことができるのではないでしょうか。もちろん、副業が幸福をもたらしてくれると信じるなら、本業の基盤をしっかりと作った上でチャレンジするのもまた選択です。
企業のリソースはヒト、モノ、カネ、情報です。個人のリソースは時間(=ヒト)、カネ、情報(ネットワーク含む)です。そしてこれらに加え、ITや金融リテラシーも必要ですから、ムダな時間や金を使っている暇はないはずです。金融リテラシーは、作った資産を浪費しないよう、守りながら、増やしていくためには欠かせないスキルです。これは、単に節約とか得するポイント利用とかそういう話ではありません。
増やすという行為は資産運用であり、資産運用に関するリテラシーが低ければ、せっかく築いた資産が働いてくれず、段々となくなっていきます。それに、将来不安からたくさんのお金を必要以上に貯めこんでいると、生きたお金の使い方ができなくなってしまいます。稼いだお金を眠らせないこともまた必要になってくるのです。
お金を使う際、こう考えてください。
これは将来への投資か(自分にどんな価値をもたらしてくれるのか)、必要な消費か、それとも単なる浪費なのか?
資産形成は一朝一夕ではできません。より良い人生を生きるために、自分の生き方としっかりと向き合いたいものです。その上で、資産を有効に使い、守り、そして増やすスキルを身に着けていってください。
※画像は本文とは関係ありません
執筆者プロフィール : 平澤朋樹
金融商品や保険、不動産などの販売を行わない、独立系のファイナンシャルプランナー事務所を運営。30代・40代の子育て世代に向けた住宅購入相談を中心に、購入後の生活設計や資産形成の相談などを行っている。また、企業でのライフプラン、資産運用、DC(確定拠出年金)など各種セミナーや相談も行っている。<保有資格>:ファイナンシャルプランナー(CFP)、住宅ローンアドバイザー