ヤフーは、HTML5とクラウドを活用するブラウザゲームのプラットホーム、「Yahoo!ゲーム ゲームプラス」を発表し、7月18日からサービスを開始した。
スマートフォンでもPCでも、ブラウザがあれば楽しめるゲームを提供するプラットホームで、スクウェア・エニックスやコーエーテクモゲームス、角川ゲームス、タイトーなど、大手を含む52社がタイトルを提供する予定だ。
Flashゲームの「次」
ゲームプラスでは、HTML 5とクラウドの2つのゲームの方式を提供する。これによって、スマートフォンやタブレット、PCなど、ブラウザさえ動作すればいつでもどこでもゲームをプレイすることが可能になる。
これまでブラウザゲームと言えばFlashを用いた開発が中心だったが、アップルがiPhoneやiPadなどのiOSでFlashを採用しないことを決めてから、すっかりApp Storeでのネイティブゲームが主流となった。
2016年はApp Storeのゲームタイトルの当たり年で、ポケモンGOやスーパーマリオ ランなど、世界的にヒットするタイトルが生まれ、アップルのApp Storeの売上も過去最高を記録し続けている。一方で、アップルのiOS向け開発言語での開発に縛られ、AndroidやPC向けには別途開発を行わなければならないなど、開発者にとっては巨大な世界市場へのアクセスと、その他のプラットホームへの対応という2つのメリット、デメリットが存在していた。
ゲームプラスは、こうした開発の非効率性を排除する開発者向けのメリットを期待することができる。またユーザーにとっては、スマートフォンの性能や空き容量を気にせず楽しむことができるようになる点が期待できる。
格安SIMが普及するにつれて、スマートフォン市場では必ずしも最新機種が売れ筋になるとは限らなくなってきた。特にAndroidスマートフォンでは、OSのバージョンの関係で最新OSを前提としたアプリは楽しめないし、iPhoneであっても、過去の機種では処理性能に劣る可能性が出てくる。そして格安スマホ共通の悩みは、アプリをインストールする空き容量の問題だ。
ゲームプラスはブラウザから利用するため、高度なゲームであっても端末に大きな空き容量が必要なわけではない。JavaScriptさえ高速に動作すれば、空き容量がないiPhone 5sでも高度なゲームが楽しめる。
またクラウドゲームでは、動画ストリーミングを活用し、家庭用ゲームさながらのグラフィックスを、スマートフォンのブラウザ画面の中で再現することができる。
URLだけで簡単にアクセスし、端末の古さや空き容量を気にせずゲームをプレーできる手軽さが、ユーザーから支持されることが期待できる。
また、ウェブブラウザであっても、スマートフォンのモーションセンサーやGPSといった情報を活用することが可能で、スマートフォンらしい操作感を実現するゲームにも対応していくことになるだろう。