まず、「これがあると、いつでもどこでもインターネットができるんですよね」という音声による強調表示に対し、「※エリアによってはご利用いただけない場合や速度が遅くなる場合があります」の文字による打消し表示を調査。この打消し表示では、23.6%の人が、打消し表示を見た上でも打消し表示の内容を理解できず、例外事項なしに"どこでもインターネットが利用できる"と誤認した。
また、「PC特別セット 5,480円」という文字による強調表示に対し、「※別途、端末代金が必要となります」や「※契約事務手数料は初回請求時にかかります」という文字による打消し表示も調査。こちらは、16.8%の人が「セット料金のほかに初期の追加料金は発生しない」と誤認する結果に。誤認した要因として、「毎月発生する月額の費用とは別に初期費用がある点が分かりにくい」(50.6%)といった声が多く挙がったほか、「端末の料金が別途必要の意味が不明」と回答する人もいた。
体験談を用いた表示例
このほか、体験談を用いる場合の打消し表示についても調査している。まず、「毎日たった2錠飲むだけ。忙しくても続けられるから助かります」「カロリーを気にせず食べられる! ガマンしなくていいって幸せ!」といった強調表示に対し、「※個人の感想です。効果には個人差があります」という打消し表示。
こちらについて調べた結果、「体験談と同じような効果が得られる人がいると思う」(53.0%)という回答が最も多く、次いで「大体の人が効果を得られると思う」(42.2%)、「自分に効果があると思う」(39.3%)となった。
今回の結果を受けて消費者庁は、事業者が留意すべき点を次のように述べている。
「事業者は、一般消費者が打消し表示の内容を正確に理解できるように分かりやすく表示するとともに、各媒体の特徴を踏まえた上で一般消費者にとって見やすく表示することにより、強調表示と打消し表示とを合わせて、表示物全体として、表示から受ける一般消費者の認識と実際のもの等との間に差が生じないように留意する必要がある」
また消費者に対しても「広告で強調されている内容を見たときは、注意事項として例外条件、制約条件等が広告のどこかに記載されていないか意識を向けること」「特に購入を検討している場合は、表示物の一部から判断するのではなく、表示物全体の内容を把握した上で検討すること」について注意するよう呼びかけている。