Airblockはどんな製品?

ユニークな発想で開発されたAirblockだが、気が付いたことを書いていく。まず、対象年齢が8歳(小学二年生)以上ということで、親が子どもに買い与えるプレゼント需要も大きいと想定される。そこで気になるのは安全性だ。Airblockは安全なドローンと言えるだろうか。

プレゼントに適したAirblock。子どもが操作しても安全だろうか

体験会では、報道陣にAirblockを飛ばす機会が与えられた。そこで何度か目にしたのは、操作に不慣れな記者が壁にAirblockをぶつけ、パーツが7つに分離して墜落する場面。それなりの衝撃が加わると、うまく分離することで危険を回避できるようになっているらしい。パーツは発泡ポリプロピレンで保護されているうえ、質量も約150gと大きさのわりに軽量だ。このため当てられた側に大きな衝撃はなく、ドローン自体も傷付かないことが予想される。

分離するユニークな仕様が、安全面でもメリットになっていた。なお結着する際、誤ったパーツ同士はマグネットの反発で結着できない。これも子どもに向けた配慮と思われる

しかし、プロペラに指を巻き込んで怪我をする可能性はある。実際、会場でAirblockが頭上スレスレに飛んだときなどは、プロペラの回転音の大きさに驚いた。これについて説明員に聞いたところ「回転数が最大のときは飛行中なので、指を巻き込む機会は少ないと思われます。離着陸時の羽の速さであれば、大きな怪我にはつながりません」との回答だった。

Airblockのボディは大きく軽い。このため、風の吹く屋外ではどの程度遊べるかは未知数だ。天候によっては、風に流されてしまうこともあるだろう。

プロペラのモジュールを真横から見たところ。羽が完全に内側に隠れていることが分かる。それでも巻き込み事故が気になる人は、薄い防護ネットを自作で追加するのも手かも知れない

また、送信機(プロポ)がないことをどう捉えるか。物理スティックがあれば繊細な操作も可能だが、スマホのアプリでは慣れないうちは力加減が難しい。もっとも、慣れの問題と言えばそれまでのこと。そういう面でも、衝突や墜落を繰り返しても許されるタフなドローンであることは心強いポイントだ。ちなみに、パーツはバラでも販売される予定だという。例えば、プロペラのユニットがひとつ故障してしまったといった場合にも、そのパーツだけ買えば対処できる、との説明だった。

スマホのアプリでは慣れないうちは力加減が難しい。しかし実機デモでは、上手に飛ばす開発スタッフの姿があった。このあたり、やはり慣れの問題か

惜しいのは、カメラが搭載されていないことだ。いまや、2~3千円の玩具のドローンにもカメラが搭載されている時代である。ましてプログラム制御が売りのAirblockなら、「どのタイミングで撮影するか」などの選択肢を加えられたはず。拡張性に優れた製品なので、今後のアップデートや追加モジュールの発売などで、カメラ撮影にも対応することを大いに期待したい。

ドローンのトライアングルモード(左)と、装飾したホバークラフトモード(右)。変形もカラーリングも自由自在なのがAirblockの特長。追加モジュールにも期待したい

このように、アイデア次第で様々な楽しみ方ができそうなAirblock。販売チャネルはSoftBank SELECTION、Amazonなどのオンラインショップ、およびビックカメラ、ヨドバシカメラ、エディオンなどの家電量販店を予定している。なお、販路は順次拡大していくとのこと。先の説明員は「夏休みに間に合いました。是非、お子さんの自由研究に利用していただけたら」と声を弾ませていたが、個人的には「子どもだけが使うのはもったいない」とも思った次第。実際、子どものために買ってあげたものの、大人の方が熱中してしまった、そんな報告がこの夏相次ぐのではないかと期待している。