強気の販売目標は達成できるか

パナソニックとしては、CF-33をタフシリーズに追加し、とりわけ国内市場の開拓を図りたい考えだ。2016年度はタフシリーズ合計でグローバルで40万台を販売、日本では約4万台の販売と全体の1割を占めるに過ぎない。このため、北米で売れているデバイスというイメージがあったが、日本では今年度の目標を5万台とし、来年度以降も年率20%の高成長を目指すという。

グローバルでの販売数に比べれば、日本での販売台数は圧倒的に少ないが、大きな成長が見込みにくいパソコン市場において、年率20%というのは、かなり強気の数値。一体どうやって達成しようというのか。

それに関して、パナソニックのコネクティッドソリューションズ社 モバイルソリューションズ事業部 坂元寛明事業部長は次のように話す。「既存のタフブックシリーズは、重さ・厚さの観点から、欧米人向きで、日本人向けではなかった。昨年販売を開始した「CF-20」で薄く・軽くなり、国内での受け止め方が変わってきた」(以下、カッコ内坂元氏)などと指摘する。

タフパッドシリーズについても、一部の警察車両に採用されており、欧米でシェアを拡大してきた流れが日本でもできつつあるという。特に米国では多数の警察車両にタフブックが搭載されているという。「(CF-33が加わることで)5インチから12インチまでラインナップ(全9種)が揃い、政府、警察、自動車の修理用途など、欧米のような広がりが見えてくる」。

こうした空気感の変化から「今年度の5万台も個人的にはまだまだ少ないと思っている。十分狙える数値」と自信ありげだ。

全9種のラインナップでユーザーの要望に応えるデバイスを提供

日本においても、行政に売り込むには、行政における導入事例があると、販売機会を得やすいなど、この分野にはビジネス上の肝があるようだ。1契約で多くの売上が立ちやすい側面も持っている。そうした売上につながる種の一部はすでに蒔いた、というのが同社の現状。その種が目算どおり芽を出し、大きな花を咲かせることはできるだろうか。