先々は観戦スタイルに変化も
しかし先々は大きく変わりそうだ。ドコモの吉澤和弘社長は「ARでは専用グラスをかけて、選手紹介、フィールドの選手の心拍数、走行距離、そういったものが考えられる。VRも活用して臨場感のある映像も見てもらいたい」と触れる。
吉澤社長の発言は今年4月に発表した中期戦略「beyond 2020」に沿ったものだ。beyond 2020では"新エンタメ体験"について触れている。これはAR/VR技術を活用して、一体感や臨場感を生み出す体験創出を目指していこうという取り組み。同氏の発言はその具体的なイメージとなるものだ。
だが、beyond宣言自体、2020年のさらに先をも見据えたドコモの公約という位置づけ。そこから考えると、AR/VRの活用はまだ先の話。現実感に乏しいというのが正直なところだ。
しかし、期待感はある。日本プロサッカーリーグチェアマンの村井満氏が思わぬ発言をしたからだ。Jリーグの放映権を持つDAZNとは「来シーズン以降になるかもしれないが、毎節1試合くらいはVR放送をやろうというディスカッションをしている。このVR放送の技術にはNTTグループも関わっていただく」と発言した。
今回の協業によって、いつまでに何をどうするのか、そのロードマップは示されていない。しかし、新技術を活用したサービスの登場は、先のことのようにも思われる一方で、意外と実現間近なのかもしれない。通信会社との協業でJリーグは少しずつ変わっていくように見えるが、意外と一気に変化してしまうかもしれない。