あらゆる面でユーザーに優しい

ニコンから気になるレンズが登場した。手ブレ補正機構を採用した超広角ズームレンズといえば「大きくて、重くて、お高いのでしょう?」と邪推してしまいそうだが、今回紹介する「AF-P DX NIKKOR 10-20mm f/4.5-5.6G VR」は「小さくて、軽くて、リーズナブル」。すなわち、カメラバッグにも、体力にも、そしてお財布にも優しい一本である。

ニコン「AF-P DX NIKKOR 10-20mm f/4.5-5.6G VR」。6月30日に発売された。ニコンダイレクトにおける販売価格は税込40,500円

AF-P DX NIKKOR 10-20mm f/4.5-5.6G VRのスペックを簡単に紹介すると、35mmフルサイズ換算で15~30mm相当の画角となるニコンDXフォーマット機専用の超広角ズームレンズ。開放F値はF4.5-5.6と特に明るいレンズではないが、テレ端(20mm) で約3.5段分の効果を発揮するVR機構を搭載している。ちなみに、レンズ鏡筒にVRのON/OFFスイッチやAF/MF切り換えスイッチは存在しない。

重量はなんと約230g! と驚異的に軽い。このレンズを1本余計にバッグに忍ばせることに躊躇はしないだろう。外観デザインとコンパクトな設計はまるでエントリークラスのキットレンズのような印象を受けるけれど、効果の高そうな専用の花型フードが付属している。

本レンズの名称「AF-P」は、AF駆動にステッピングモーターを採用していることを意味する。高速かつ静粛なAF駆動ができる一方で、D3200 (2012年4月発売) 以前のDXフォーマット機のように使用できない旧機種があるので注意が必要だ。

D7500に装着した様子。本レンズの全長は約73mm。AF-S DX NIKKOR 10-24mm f/3.5-4.5G EDに比べて、14mm短く、約230g軽い

フィルター径は72mm。花形フードが標準で付属する。マウントを見ての通り、プラスチック素材を多用するなど、軽量化を徹底している

今回テストに使用したD7500では、設定メニューから光学手ブレ補正・VR機能のON/OFFを切り換える。この項目がないカメラの場合、VRはONで固定となる

以降、作例はすべてD7500を使って撮影した。焦点距離 10mm F4.5 1/15秒 ISO180