世の中には様々なイケメンが存在するが、頼りがいのある”兄系イケメン”が集合する、女子にとっては夢のようなシチュエーションを映画化したのが、6月30日(金)から公開された映画『兄に愛されすぎて困ってます』。いまやヒロインとして引っ張りだこの女優・土屋太鳳演じる橘せとかが、血のつながっていないヤンキー系ツンデレお兄・はるか(片寄涼太)、初恋の相手のセレブ系ののしり王子・芹川高嶺(千葉雄大)、ホスト系スウィートBOY・美丘千秋(草川拓弥)、ヘタレ系塩顔男子・芹川国光(杉野遥亮)に囲まれる。
胸キュンシチュエーションにあふれたハイテンションな展開でありながら、”血のつながっていない兄と妹”という葛藤のある切ない恋愛模様も軸となっている同作。妹に思いを寄せながら、妹の幸せを願う兄・はるかを演じた片寄は、ふだんはGENERATIONSとして活躍するアーティストでもあるが、どのような気持ちで演じていたのか。
■片寄涼太 |
グループでは俯瞰で見ているタイプ
――普段はアーティストとして活躍をされている片寄さんですが、今回の話を聞いた時はどのように思われましたか?
自分はお芝居の経験もほとんどなかったので、作品にお声がけいただけて、ありがたいと思いましたし、自分でいいのかな、という気持ちもありました。
――少女漫画原作ということで、かなり胸キュンな感じが、普段の雰囲気ともまた違ったのかと思いましたが。
挑戦として、いい経験になるとすごく思いました。ただ少女漫画をあまり読む機会もなかったので、原作を読ませていただいた時は刺激的だったし、やっぱり女の子ってこういうのを読んできているんだな、と思いました。でもそこに抵抗があったわけではなく、自然と楽しみました。
――今回”お兄ちゃん”がたくさん出てきますが、誰が自分に1番近いと思いますか?
GENERATIONSで活動している時の自分は、グループを俯瞰で見ている感じが、高嶺さんに近い気がします。まあまあ真面目な方なので、気を使わなきゃ、バランスを取らなきゃと思ってしまうタイプですね。でも本来の自分は、はるかの生き方やピュアさに憧れますし、ああいう風になれたらいいなと思っています。
――逆に、自分のお兄ちゃんだな、と思う人はいますか? ふだんの先輩でも。
ドラマ『GTO』で一緒になったAKIRAさん(EXILE)です。『GTO』のときに、僕は10代だったんですが、現場での佇まいや、周りの方々への気遣いについて、AKIRAさんの背中を見て学ばせてもらいましたし、自然とAKIRAさんのような男性像に憧れを抱いていました。
今回『兄こま』はすごいチャンスをいただいたと思いますし、現場に入る時もAKIRAさんから学んだことを意識しました。単純に真似しようということではなく、心遣いや誠意の見せ方といったところです。先輩方ともまた違う色の作品だったので、自分にできる形で作品に取り組んで、今の自分だからこそできる精一杯を出そうと思っていました。
――『兄こま』にはまった人が、もっと片寄さんを知りたいとしたら、どういう姿を見てほしいと思いますか?
GENERATIONSのライブや、アーティストとしての自分を見てもらえると、また全然違うと思います。僕自身はアーティストとしての自分を知りすぎているので、『兄こま』を見た時に自分の姿が全然違って見えて、知らない自分の表情を発見できたんです。だから、逆に『兄こま』を見て知ってくださった方が、ライブに来て新しい発見をしていただけたらいいなと思いました。
――ご自身でも発見があったんですね。たとえば、どんな表情だったのでしょうか。
お風呂場で後ろからせとかを抱きしめるシーンは、「俺ってこんな表情してたんだなあ」と思いました。「ガチだな」って(笑)。せとかを送り出す瞬間も、客観的に「お兄、せつねえな」と思ったりとか。そうやって客観的に見られる自分がいたのは大きかったですね。アーティストとしてやっている時は、どうしても自分自身が出ているので、役として自分ではない自分を見ることができたのは、新発見でした。