――これまでの芸能生活を振り返って、アイドルになってみて何か思うことはありましたか?
ずっとあこがれだった世界でしたが、いざ自分がやってみるとなんていうか、とてもリアルだったんですよね。ライブをやっていてアニメーションでも観ていた光景だって感動したんですけど、お客さんが目の前に本当にいるので、その人の感情をステージ上でさらに肌で感じるんです。意外とお客さんの顔もわかったりするので、同じ曲でも泣いている方もいれば熱く応援してくれる人もいて。応援の仕方を見ていて、その方の人柄も感じて、とてもリアルな世界だなって思いました。とてもたくさんのことを感じられる仕事だと思っています。
――モデル活動などをすることで、乃木坂46としての活動にプラスになることはありますか?
それはすごく感じます。『CanCam』やGirlsAwardなどの活動をして、自分の気持ちも変わったんです。今までは、いろいろなことをすることが何というか、少し気恥ずかしい部分もあったんですね。でも、ほかのモデルさんたちの姿を見ていて、気恥ずかしくなることが恥ずかしいみたいな。皆さんのオーラに圧倒されて、わたしも皆さんのようになりたいなと思って、乃木坂46としての歌やステージで少しずつ強さが出て来たのかなって思います。
――アイドルになって刺激的な生活になったと話されていましたが、特に印象に残る刺激的なエピソードは何でしたか?
乃木坂46に入って最初の頃は、当然ですけど曲がまったくなかったのですが、お客さんに知ってもらうためにたくさんイベントをやっていたんです。でも曲がないので、やることが自己紹介メインで(笑)。ほかの子は自分の特技を活かしたりキラキラと輝いていましたが、わたしはダンスも歌もできなくて…。本当に自己紹介だけをやっていたこともありました。本当にたくさんの努力が必要でした。
――今乗り越えたい壁はありますか?
体調管理です。声のお仕事もやらせていただくのに花粉症でノドをやられてしまって、声が出ないことがありました。一週間、二週間出ないと大変なので、まず体調管理です。
――ちなみに、女性としての今後の課題はありますか?
社交性です。全然ないんですよ。友だちも少なく同じ子としか遊ばないから、相手との会話力もほしいですね。ファンの方とお会いした時に、もっと楽しいお話ができたらっていつも思っちゃうんです。ほかの子ならもっと楽しいお話ができるのかもって思っちゃうんです。今まで二次元で自分ひとりで楽しんで生きてきたので、もっとみんなと一緒に楽しめる人間になりたい。ニ次元から三次元も、が目標ですかね(笑)。
――今日はありがとうございました。最後に『ドラゴン・キングダム ~魔法の森と水晶の秘密~』ですが、皆さんにどうおすすめしますか?
最初にお話をいただいたとき、子ども向けの作品なのかなと思ったんです。主人公が少年で、登場する子どもたちも年齢が低かったりして。でも、とても勇気がもらえる作品で、何かに悩んでいる方にもぜひ観てほしい作品だと思いました。この作品を観るすべての人たちが勇気づけられて、みなさんにとってそういう想いを再確認できる作品になってくれたら嬉しいなと思います。
■プロフィール
松村沙友理
1992年8月27日生まれ、大阪府出身。人気アイドルグループ・乃木坂46のメンバー。2011年、乃木坂46の1期生オーディションに合格。翌2012年、乃木坂46の1stシングル「ぐるぐるカーテン」でCDデビューを果たした。現在はアニメ総合誌「月刊Newtype」(KADOKAWA)で連載中、またテレビアニメ「少年アシベ GO!GO!ゴマちゃん」(NHK Eテレ)に出演中でもある。今回の「ドラゴン・キングダム~魔法の森と水晶の秘密~」では洋画アニメーション主演の吹き替えに初挑戦した。愛称はさゆりん、さゆりんご、まっちゅん。
ヘアメイク:PON スタイリスト:市野沢祐大(Ichinosawa Yudai)