――では今度は、現場から離れて視聴者として完成した作品を見た印象はいかがでしたか。

谷口:僕が思ったのは、全然違う話が始まったなという感じがしました。もともとの『仮面ライダーアマゾン』が24話で前編後編で空気が替わるっていうのもオマージュをささげているんでしょうし、タイトルをアルファベットにするというのもそうでしょうし。

まったく違う『仮面ライダーアマゾンズ』が始まったんだなという空気の作り方がやっぱり素晴らしいと思います。そこからseason1の僕らがどうやって絡んでいって、どうやってケツをふいていくのかというのが一番の見どころです。そこは「小林靖子、すごいな!」とすべてにおいて思う台本だったので。

エグいところはものすごく拍車がかかっています。たぶんテレビでできないですよ。全編通してテレビでできないヤツになっちゃったのかなと思っています。だから……だれに見せるつもりなんでしょうね(笑)。

――今回は組織も増えて、いろんな関係性が描かれています。仁さんと七羽さんとの関係は、そういうものを超越してしまっていますよね。

谷口:たぶん『仮面ライダーアマゾンズ』って題名じゃなかったとしたら、"鷹山仁一家物語"になるんじゃないか(笑)。僕たちでやったことを僕たちで終わらせているところもあって、鷹山仁の役割としては、season2で出てきた全員をぶっ壊すつもりでやろうと思っていました。

僕自身は七羽さんには会えるか会えないのかも分からなかったので、会えたらいいなと思っていたら、一番会いたくない形で会ったという感じですかね。

東:仁さんとのシーンはツラいことが多くて……毎回ツラかったです。

――七羽さんはさらに衝撃ですよね……。

谷口:そうですね。七羽さんがラスボスなので、放映前のインタビューでは何もしゃべれないんですよ。そして僕はそれを殺しにいく男なので、息子も七羽さんも殺さないといけないんです、僕が。

――でもそうなると本当に……。

谷口:"鷹山仁一家物語"なんですよ(笑)。主人公が息子で、ラスボスが嫁で、もうトンデモナイ台本なんですよ!