絶景ランチ、帰路は岩茸石の背後を行く
急な坂を越えて、山頂に到着。山頂は広く、ベンチやテーブルも設けられている。心地よい風に吹かれながら周囲を見渡すと、眼下に広がるのは広大な関東平野の絶景だ。そんな眺望を楽しみながらのランチで、道中の疲れも一気に吹き飛ぶ。
しっかり身体を休めて下山を開始。このまま来た道を下るでもいいのだが、今回はちょっと違う道を通ってみたい。岩茸石のところまで下ったら、「河又バス停」と記された、岩茸石の後ろに広がる滝ノ平尾根コースへ。登りに通った沢とは異なり、こちらのコースはひたすら杉林を抜けていく。途中、側にはロープが張られた急な坂もある。白谷沢登山口からの道よりも人は少ないので、最後まで自分のペースで進むことができた。
山を下っていると、何かが音をたてながら空を飛んでいることに気が付いた。さらに先に進むと、関係者以外立ち入り禁止と書かれた看板の奥に高台があり、その高台からラジコン飛行機を操縦している人の姿が。聞けば、10年以上前からここで飛行機を飛ばしているとのこと。「動力はないけれど、うまく風にのればプロベラ機よりスピードが出る。これはただの趣味だよ」と笑顔。こんなところで空を飛べたら、きっと飛行機も"飛行機冥利"に尽きるだろう。
手ぶらもOKな温泉で早速ご褒美も
登山の後は予定通り、さわらびの湯に向かう。登山口から歩いていける距離にあり、入り口の側には冷水に浸ったラムネも待ち構えていた。入浴は大人ひとり800円。木の温もりを感じる館内、登山姿の人でにぎわっていた。2階建ての館内には温泉のほか、くつろぎスペースとして大広間やホールがあり、お土産コーナーも充実している。定期的に放送でバスの案内もしてくれるので、時間が許す限り、ここでゆったりするといいだろう。
シャンプー・ボディーソープは備え付けられており、バスタオルやメイク落とし、化粧水のほか、Tシャツや下着なども販売している。湯の泉質はアルカリ性単純泉で、湧出量は20L/分。男女ともに露天風呂が設けられている。すぐ側に山を感じながら天然温泉に浸かっていると、なんともぜいたくな気持ちになってくる。売店ではビールなどもお酒も販売しているので、登山を頑張った身体にご褒美というのもありだ。
またもと来たバス停から飯能駅へ向かう。行きも帰りもバスの中は混雑していたので、確実に座りたい人は早めに並んでバスを待つことをオススメする。棒ノ嶺登山の道中、子どもから年配の方まで幅広い年齢層の人を見かけたが、実際に登山をしたところ、登山口までの所要時間や登山路の様子・距離ともに、気軽に登山を楽しんでみたいという人のニーズにもマッチするように感じられた。特に6~7月はコアジサイも楽しめるので、ぜひ今だけの風景も堪能していただきたい。