このように、働きやすさを追求するソフト面の取り組みは多彩だ。一方、ハード面においても充実している。
その象徴ともいえるのが、昨年秋に新設された「デジタル・カフェテリア」の存在だ。このカフェテリアでは、社員の健康を考え、約600kcalのランチや10種類のスムージーなど、ヘルシーなメニューが用意されている。ランチ以外にも、社内のちょっとした打ち合わせや外部の方との会議、個人の集中タイム、記者発表会などにも利用できる。コーヒーといった飲料を購入しなくても利用可能だ。単なる“食堂”ではなく、多目的に使え、協働を促進する空間といえる。
また、ユニークなのは最上階に用意された茶室。案内されて驚いたのが、フロアの入り口から日本庭園のような趣きになっており、自分がオフィスビルのなかにいるのを忘れてしまうほどの造り込みになっていること。これは、創業者ラリー・エリソン氏の発案というが、いかにも“日本通”で知られている彼らしいアイデアといえる。
社内で“最高の癒し”は健在!
ハナシは前後するが、ソフト面に戻そう。というのも、日本オラクル最大の“社員の癒し”について触れるのを忘れていたからだ。
日本オラクルといえば、「社員犬」制度を採り入れていることで有名。この制度は1991年から導入されているもので、現在は4代目となる「キャンディ」という女の子が務めている。彼女のおもな業務は、毎週水曜日にフロアをめぐってほかの社員たちに癒しを与えること。取材当日も水曜日で、筆者のいる会議室に出向いてくれ、愛らしい姿を披露してくれた。