さて、東京都市大学のEV活用アイデアが実用化し、東京電力の取り組みが功を奏してEVが普及すれば、ある構図がみえてくる。それは、ある意味「カーボン・オフセット」ともいえる巨大な仕組みができあがるのではないかということ。
カーボン・オフセットとは、企業が製品を製造したり、サービスを持続したりする場合にCO2排出を極力抑えながら、CO2の排出量に応じて温室効果ガス削減に対する投資を行うというもの。CO2を吸収する森林に投資、つまり植樹などを行う取り組みがよく知られている。
東京電力は電力供給が主事業で、化石燃料による発電も行われている。当然、CO2を排出しているが、それを再生可能エネルギーに置き換えて抑制していかなくてはならない。そして東京都市大学の成果に投資し、普及した多くのEVが同大のアイデアを活用できるよう、インフラを整える。
この場合、東電の排出したCO2をある意味“ゲイン”する役割が期待できるサステナブルマイレージとエネルギーシェアリングは、カーボン・オフセットにおける“森林”といえるのではないか。貸与された2台のEVという種が、森林に育つのを期待したい。