まずNokia Health Mateアプリは、Nokiaの活動量計&睡眠チェック「Go」、活動量計&睡眠ウオッチ「Steel」、心拍&アクティビティモニター「Steel HR」などと連携し、体重や対組成形の確認、デバイス管理などを行う。また、中核的な機能として、睡眠時間を管理する「スリープタイマー」、妊婦の体調を管理する「妊娠トラッカー」、体脂肪率や体重の低下を可視化する「シェープアップ」(近日中提供予定)を備える。
ポイントは、8週間の蓄積データをもとにコンテンツやアドバイスを配信する「コーチングプログラム」だ。前述したプロフェッショナル(医師や科学者)の意見をベースに、設計、開発している。「8週間の蓄積データ」という期間については、「日常生活の習慣を変えるのは難しい。8週間は達成可能な期間と利用者に影響を与えるのにベストなタイミングだ」(Preaumount氏)と説明した。
スリープタイマーについては、独自の採点システムを用いて睡眠の質を判定し、平日と週末の睡眠サイクルなどを安定化させる「スリープマスターチャレンジ」なども利用できる。なお、Withingsブランドで発売済みのデバイス連携だが、Steelなどのデバイスはデザインやロゴの変更に留まっており、そのままNokia Health Mateアプリが使えるという。
後者の「コンシューマーへさらなる選択肢と柔軟性」に対する回答は、Bluetooth&Wi-Fi接続のBMI体重計「Body」だ。Nokia Health Mateアプリと連携し、最大8人までのユーザー登録で家族の体重管理を行う。既存デバイスである「Body+」「Body Cardio」とは異なり、全身組成分析や脈波伝播速度、心拍測定といった機能は持たないが、摂取カロリー管理アプリケーションとして有名な「MyFitnessPal」との連携も可能だ。
Nokiaは、こうしたヘルスケア製品と自社のエコシステムによって、個人や家族の健康管理支援を続けていくと強調。グローバルのデジタルヘルス市場について、2024年までに3,000億ドルを超えると試算している。日本では、オムロンやタニタ、海外勢ではFitbitやガーミンなど、デジタルヘルス市場で先行する企業は多い。Bodyの価格設定(税込8,510円)には驚かされたが、継続的に存在感を高めていけるだろうか。また、ヘルスケア製品の充実によって、自分自身の健康に向き合う間口が広がることは歓迎したい。
阿久津良和(Cactus)