尿路結石の経験者は皆、「のたうち回るほどの痛み」と口をそろえる。尿路結石を患った経験がない人でも、その痛みがつらいであろうことを想像するのは難くない。本稿はメンズヘルスクリニック東京で男性更年期外来・妊活外来を担当する辻村晃(つじむら・あきら)医師の解説をもとに尿路結石についてまとめた。

尿路結石は耐え難い痛みに襲われる

尿路結石の原因

そもそも尿路結石とはどのような病気なのか、あらためて辻村医師にうかがった。

「尿路結石とはその名の通り、尿の通り道に結石が詰まった状態のこと。結石とは、体内の器官や管の中で作られる物質の凝固物のことを指します。尿の通り道(尿路)には腎杯(じんばい)、腎盂(じんう)、尿管、膀胱(ぼうこう)、尿道がありますが、腎盂でできた結石(腎結石)が尿管に下降して、尿管結石や膀胱結石になることが多いです」

強烈な痛みに襲われると言われる尿路結石だが、下腹部以外にも背中や腰、側腹部に激痛が走ったり、血尿が出たりすることもあるという。その痛みは「腎臓が内部から引き伸ばされるような痛み」と辻村医師は話す。

激痛とともに吐き気や嘔吐、発熱といった症状を呈することもある。結石が腎内にとどまっていれば、痛みを含めた症状はさほど強く出ない。腎盂から尿管に結石が下降すると激痛を伴うようになるが、人によってはあまり痛みを感じない人もいるとのこと。

「激痛の原因は、結石が腎臓内から尿管へ下降して、尿の流れを止めてしまうことにあります。結石が尿管にはまり込んでしまうと、尿が正常に流れなくなる状態になります。そして、尿が尿管の中に充満し、やがては腎盂まで膨らみます。これにより腎臓に圧力が加わって、激しい痛みが生じるという仕組みです」