明るい役に対する戸惑い

――自分に近い役、遠い役とあると思いますが、どちらの方が演じやすいですか?

たとえば自分と近い役が同時にきたとしたら、どう変化をつければいいのか、と思ってしまうので、離れている方がやりやすいかもしれません。

――この7作品の中だといかがでしょうか。

『逆光の頃』の孝豊は一番近いかな。でも、全体的に遠いですね。『散歩する侵略者』はちょっと抜きにして(笑)。1番離れているのは『ReLIFE リライフ』の大神です。ひときわ明るい子なので、ちょっと離れすぎている。

『逆光の頃』赤田孝豊役

『ReLIFE リライフ』大神和臣役

――映画では自然に見えましたが、そんなに明るくないんですか?

全然! びっくりです(笑)。監督にも「無理して明るく振る舞ってるように見える」と言われて、「これはやばいな」と思い、努力しました。

――作中でもムードメーカー的な存在ですよね。

そうなんですよ! 現場の共演者のみなさんも、本当にキラキラして眩しくて。僕はもう、浄化されている感じでした(笑)。

役作りについて心がけていること

――役作りについて、何か心がけていることや高杉さんの方法などはあるんですか?

去年は原作ものが多かったので、原作からキャラクターを作っていきます。台本と原作の違いを見つけて、役を作る場合もあります。あとは、監督との話し合いです。

――そういった方法は、いつごろから確立し始めたのでしょうか?

高校2年生で、演技をしたいと思い始めてからですね。『ぼんとリンちゃん』という作品できちんと演技というものを知って、それからいろんな同年代の方にも出会って、「自分はもっともっと頑張らなきゃ」「もっと勉強したい」という思いが強くなりました。

――7月に公開される『逆光の頃』も、そのきっかけと同じ小林啓一監督ですよね。

監督ともずっと、もう一度ご一緒したいという話をしていたので、実現することができて感慨深いです。あの時はまだ子供だったのに、いまや監督とお酒が飲めるというのも不思議な感じです(笑)。

――そういうときって、「あの頃よりも経験を積んだ自分を出してやる」みたいな気持ちがあったりとか。

ありましたね。あの時に比べて成長できていたらいいなとも思いましたし。自分の成長を出せたらいいなと思っていました。

――映画やドラマで活躍される高杉さんですが、生放送のラジオドラマ(5月5日放送 NHK第一『劇ラヂ!ライブ』)にも挑戦されて。

表情が使えない分、全然表現の仕方が違うと思うので、少し怖いですね(※取材は放送前)。僕はアニメが好きで、いつか声優さんをやりたいと思っていたので、そういう表現の仕方も勉強できたらと思っています。

――声だけの演技も追求したいとは、かなり貪欲な気持ちなんだなと思ったのですが、演技に対してはどのような思いを抱かれているんですか?

すごく、演技が好きなんですよ。何が楽しいんだろう?(笑) でも本当に演技自体がすごく好きで、どんな風に演じようかと考えている時間が好きです。地道な作業で、難しいし、しんどいんですよ。でも、好きですね。面白いです。