ついていく技術が進化

ツーリングアシストとは、渋滞時を含む高速道路の全車速域でアクセル、ブレーキ、ステアリングの操作を自動制御し、ドライバーの負荷を軽減する機能のこと。もともと、アイサイトver3は「ぶつからない技術」、「(高速道路で)ついていく技術」、「はみ出さない技術」、「飛び出さない技術」、「注意してくれる技術」の5つの機能を備えているが、ツーリングアシストは「ついていく技術」を強化する新機能だ。

これまでのアイサイトでも、先行車を認識してブレーキとアクセルを自動制御できたし、ステアリングについても一定速度以上であれば車線中央を自動でキープできたわけだが、「ツーリングアシスト」の搭載により、具体的には何が変わるのか。

まず、従来のアイサイトver.3では時速60キロ以上でしか使えなかった「車線中央維持」機能が、新型では「時速0キロ以上」、つまりは全ての速度域で使えるようになる。更に、車線が見づらい状況でも先行車を認識し、その軌跡に合わせてハンドルを操作する「先行車追従操舵」という機能も追加となった。

渋滞時でも途切れず運転支援

高速道路で渋滞に巻き込まれると、前にクルマが詰まってきて、車線が認識しづらくなる。その時に、先行車を認識してステアリングを操作する必要が出てくる。新型アイサイトでは、こういうシーンに自動制御で対応できる。ちなみに、先行車が分岐や出口などで走行レーンから抜けていく場合でも、アイサイトは先行車の横方向のスピードを検知して状況を判断するため、先行車を追従して望まぬ方向に進んでしまうという事態は発生しないそうだ。

赤い破線で囲まれた部分が追加となった機能だ。時速120キロまで対応速度を拡大したのは、新東名など一部の高速道路で最高速度の引き上げが検討されているため

機能の追加はソフトウェアの更新により実現したもので、カメラやコンピューターといったハードウェアの部分に変更はない。ちなみにスバルでは、今回の進化でアイサイトが「ver.4」にステップアップしたとは表現せず、あくまで「ver.3」の機能拡充だとしている。