選果場で行われる品質チェック
続いて選果場「DMS Te Puna」に会場を移し、キウイが箱詰めされるまでの様子を見せてもらった。
選果場では、農家から届いた大量のキウイをレーンに流し、作業員が手に取って品質をチェックする。責任者のオリバー・ブロードさんは、「ヘタのついたもの、皮に傷のあるもの、割れやすいものなどは取り除き、農園へフィードバックします。また、出荷したキウイは箱ごとにバーコードが付いているので、全世界に輸出しているキウイから追跡できるようになっています」と語る。
問題があると農園にフィードバックされ、それに応じて農園に支払われる報酬も変わってくる。全世界の消費者がキウイを安全においしく楽しめるのは、こういった品質を保つ仕組みが構築されているおかげなのだろう。
厳正な品質検査を通ったキウイは、品種やサイズごとに箱詰めされ、適切な時期に世界各国へ出荷するために0℃の倉庫で保管される。ちなみに、味だけでなく見た目にもこだわる日本人のために、品質が高い「クラス1」の中でもさらに良いものが厳選されて日本へ輸出されているという。
ここまで、ニュージーランドでどのようにキウイが栽培され、出荷されるのかを紹介してきた。今回気づかされたのが、日本で当たり前のように口にしているキウイは、厳正な品質管理のもと"選ばれたもの"であるという事実だ。個人的には、農園や選果場でキウイと向き合う人々の真剣なまなざしを目の当たりにし、キウイに対するありがたみがわいてきた。
これまで「キウイはすっぱい」というイメージがあった人もぜひ、食べ頃のキウイの見分け方、そして硬いキウイの追熟法を試してみてほしい。甘くみずみずしいキウイと出合えれば、きっとキウイの印象もプラスに変わるに違いない。