「まずは買うときの利便性。2つめは必要な情報を多様化されたルートから、簡単に入手できること。3つめは問題が起きた際には、いつでもどこでも当社スタッフからのサポートが受けられること。最後の4つめは、使っているときに安心して使えること。ユーザーがスマートフォンを使って何かするときに不便だなと思ったり、何かツールを足さないと目的を果たせないといったことがないようにすることが重要だ。
キャリアショップ、家電量販店、ネット通販など、日本市場は流通網が多様だが、これらにしっかり対応する。ファーウェイのカウンターやカスタマーセンターを設け、オンラインでもサポートが受けられるようにして、どこでも買えて、どこでもサポートが受けられるように努力している」(呉氏)
こうした安心感を醸成するうえで重視しているのが、口コミだという。ファーウェイの製品は、NPS(*)の数字が高く、メディアで好意的に取り上げられたり、友人や家族のすすといった口コミで認知が広まっているため、社内でも大変重視しているそうだ。
*NPS(Net Promoter Score) : 顧客ロイヤリティの指標。企業やブランドへの愛着や信頼度を表す。
「消費者の口コミは会社で収集したものが、毎日私のところに上がってくる。問題が指摘されることもあり、しっかり対応するよう心がけている。励みにもなるし、身を引き締める思いもする。こうした評価の1つひとつが、当社が前に進んでいく進歩につながる」(呉氏)
「生き残る」を目標に掲げるからこそ、ユーザーにいかに安心感を感じ取ってもらうかに目を光らせる…。売上を伸ばしてなお油断しない呉氏のこの姿勢が続く限り、エンドユーザーの安心感も続くのではないか。そう思わされる取材だった。