マイディア傘下に入って1年
東芝の家電事業を担っていた東芝ライフスタイルは、グループの経営危機の中、昨年6月マイディアグループと東芝の戦略的パートナーシップによってマイディアグループから約80%の出資を受けた。
傘下に入った2016年度、下期は黒字化を達成した同社。これには、東芝グループに属していたときに行った構造改革の成果が出たこと。新商品が計画通りに発売でき、かつその商品が支持されたこと。マイディア傘下に入ったことで、11月から、製品開発やテレビ広告など大胆な成長投資を行うことができた。これら3つの大きな要因があるという。
さらに、石渡社長がマイディアグループ本社の最高意思決定機関であるエグゼクティブコミッティーのメンバーに就任、その一方で、マイディアグループのファン会長を、東芝ライフスタイルの会長に迎えた。これによって両社トップの意識と情報の共有、タイムリーな意思決定に繋がっているという。
現場における変化については、「走りながら考えるところも出てきている」とスピード面での変化を強調。「マイディアの持つ技術と東芝が持つ技術、互いに出し合って共同開発をしている」という。生産体制については、マイディアの商品を東芝ライフスタイルの工場で作るなど相互の資産をフル活用している。
中国市場においては、冷蔵庫クリーナーなど東芝ブランドの商品をマイディアの販売網を使って、マイディアが販売し始めており、これから成長が見込まれるミャンマーやカンボジアなどの新興国の開拓を昨年からスタート。市場の開拓にも力をいれていくという。
今後は、マイディアグループとのシナジー効果をより具体的に出していくために、「グローバルブランドのマーケティング強化」「製品ラインアップ補完・拡大」「製品競争力の強化」「クラフトマンシップ技術革新」の4つのプロダクトを加速させていくという。
そんな一方で、東芝グループとの関係については、「私たち20%くらい東芝ですから、東芝グループとの技術交流は続けていく」とマイディアグループと東芝ライフスタイル、バックの東芝グループ、含めて、技術開発を進めていくとした。
東芝ブランドの普遍性と、さらなる成長を力強く印象づけたい。そんな意図を感じた今回の社長の言葉。ブランドの品質は本当に変わらないのか、その一方で何か変わっていくのか。注視していきたい。