現在Siriを呼び出すには、ユーザーが声をかけたり、コントロールセンターを開いたりするなど、なんらかのアクションを起こす必要があります。Siriが何ができるかをあらかじめ把握できており、その中から特定の機能を呼び出して使っている人がほとんどではないでしょうか。

そのため、使い方を知らない人にとっては、何かやりたいことがあっても「Siriを使う」という発想すら生まれません。テクノロジーに疎い人たちでも会話で操作できる点がSiriの強みであるにもかかわらず、宝の持ち腐れ状態なのです。

なお基調講演ではSiriが使えるホームミュージックスピーカー「HomePod」も発表されました。スマートスピーカーによってSiriの立ち位置がどうか変化するのかにも注目です

Apple Storeでは定期的にApple製品の使い方をレクチャーするセッションが開催されていますが、取材するたびに参加者が「Siriにこんな機能があるなんて知らなかった」と驚く光景に遭遇します。だからこそ、AIを活用したSiri側からの能動的な先読み提案は、すべての人がSiriの利便性を享受できるようになる最大の進化であり、今回の発表はSiri史上最大のアップデートといえるでしょう。

ただ、あまりに先読み提案の頻度が高いと、「提案通知がうるさい」と敬遠されるリスクもはらんでいます。便利だと手放しで絶賛されるのか、"おせっかいアシスタント"キャラになってしまうのか、今秋のリリースを期待して待ちましょう。