人の体は体温や心拍数、呼吸数などを時に変動させながらも、一定の範囲に保とうとする性質を持っている。人はストレスを受けると心拍数や呼吸数の上昇、ホルモン値の変動などの反応が体内で生じる。そして、その反応はストレスに対応する適切な間隔だけ維持され、やがておさまっていく。
こういった生体反応は短期的にはストレスに対応するために必要であるが、それが適切に調整されなければ中長期的には体に害を与えうる。例えば、業務上の失敗や上司の叱責、長時間労働などの強いストレスに繰り返しさらされると、レジリエンスが高い人はすぐに回復できても、そうでない人は本来回復すべき反応が機能しなくなり、体調を崩す原因となる。
レジリエンスは高められるのか
レジリエンスは遺伝や育った環境が少なからず影響しているが、成人してからも高められる。その方法についてはいろいろな研究が蓄積されつつあるが、ここでは森下愛訳「レジリエンス: 人生の危機を乗り越えるための科学と10の処方箋」からいくつか紹介したい。
■楽観主義であること: 現実を見つめ、明るい未来を信じる
■意味、目的を知ること: 人生の出来事を成長につなげる
■社会的サポートを求めること: 相互に支えあう
並べてみると、「何だそんなことか」と思うかもしれない。だが、実際できているかと問われるとどうだろうか?
雇用者が職場の労働環境やストレスについて配慮することはもちろん必要だが、労働者もレジリエンスを高めてストレス社会をしなやかに生きていきたいものだ。
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記事監修: UHC
東京日本橋にあるベンチャー企業のユナイテッド・ヘルスコミュニケーション(通称UHC)。健康増進アプリ「Wity(ウィティ)」を開発する一方、大手製薬企業のコンテンツ開発を担うなど幅広く活動。社員は心理学、看護学、ロボット工学などの研究者・専門職が多数を占める。皆個性が強く不思議な空気感が漂うが、今日も仲良くお仕事中。