背筋も凍る「雪女サイダー」

青梅で最も代表的な観光スポットは、観光案内所でもらった割引チケット「昭和レトロ商品博物館」「青梅赤塚不二夫会館」「昭和幻燈館」の3館(セットで750円/割引チケット使用の場合)だ。「昭和レトロ商品博物館」は、映画『三丁目の夕日』に出てきそうなおもちゃや家庭の常備薬、駄菓子屋風景など、当時のいわゆる"日常的"商品が大量に展示されている。2階には青梅が原点とされる雪女にちなみ「雪おんなの部屋」がある。

「昭和レトロ商品博物館」(写真右) は、その建築自体、100年以上前のものでレトロ。「青梅赤塚不二夫会館」(写真左)は昔、病院だったという

「青梅赤塚不二夫会館」の前にはバカボンのパパ像が! 館内には猫を祀った「バカ田神社」があり、赤塚不二夫氏の原画なども展示されている

向かいの通り沿いにあるのは「昭和幻燈館」だ。昭和の街の緻密なジオラマが展示されている。住民の姿は二足歩行の猫というのが謎だが、不思議と違和感がない。

「昭和幻燈館」(左の青い看板)。外観は、昔の駅を模しているらしい

赤塚不二夫会館の売店は入場料無料。歩き回って飲みものが欲しくなったら「雪女サイダー」(200円)を飲んでみたい。暑い季節は背筋がゾクゾクしてくる……かもしれない。

「雪女サイダー」(200円)でヒンヤリ

●information
「昭和レトロ商品博物館」
東京都青梅市住江町65

「青梅赤塚不二夫会館」
東京都青梅市住江町66

「昭和幻燈館」
東京都青梅市住江町9

青梅は映画の看板と"猫ギャグ"の街!?

青梅にはたくさんの映画の看板があるだけでなく、"猫の街"でもある。しかし、本物の猫は全く見かけない。代わりにあるのは猫のアートだ。それも、ちょっとウケを狙ったアートだったりする。

西部劇の代表『シェーン』

猫バージョンは「ニャーン」

「猫に小判」ならぬ「猫にこんばんは」

「東京物語」の監督は、名匠小津安二郎ならぬ、小猫安二郎

男だけでなく、猫もつらいそうです

バス停(本物)は猫だらけ

青梅七福神のひとつ「住吉神社」では、真面目に猫が祀られている

ちなみに、住吉神社は昭和幻燈館の隣にあるため、立ち寄ってみてはいかがだろうか。ただし、とんでもない階段を上る勇気があれば、の話である。青梅は丘陵にあり、見事に坂だらけの街だ。住吉神社はさらに高い位置にある。街の全景を見渡すのには格好の場所だ。

見るだけで転げ落ちそうな住吉神社への階段

上からはさらに急に見える!

上りきると「ちょっとした達成感」という特典が得られる

東京にいながら旅気分

青梅は一見、少々さびれた雰囲気を漂わせていて、店舗のほとんど入っていないビルなども見かける。しかし、街中にある昭和の風景や、さらに古い江戸時代の建築などがあり、その街並みは素朴ながらも独特だ。

駅から徒歩7分ほどの「釜の淵公園」は自然の宝庫。森林浴や釣りも楽しめる

青梅駅周辺を目的地として歩いてもいいし、青梅の奥地にある霊山「御嶽山」での登山やラフティング、七福神を祀った神社仏閣での座禅や茶道体験などを併せて訪れてもいいだろう。東京都内にいながらちょっとした旅気分を味わえるのではないだろうか。

※価格は全て税込

筆者プロフィール: 木口 マリ

執筆、編集、翻訳も手がけるフォトグラファー。旅に出る度になぜかいろいろな国の友人が増え、街を歩けばお年寄りが寄ってくる体質を持つ。現在は旅・街・いきものを中心として活動。自身のがん治療体験を時にマジメに、時にユーモラスに綴ったブログ「ハッピーな療養生活のススメ」も絶賛公開中。