よりデバイスの性格を表現するOS
iOS派生のOSとしてApple Watch向けに用意されたwatchOSと、Apple TV向けtvOSは、iPhoneアプリをダウンロードすれば、Apple WatchやApple TVにも自動的にアプリを追加できる仕組みを備えている。
Apple Watch、Apple TVがiPhoneユーザーをターゲットに置いた製品であるという性格から、アプリ開発者も、iPhoneとApple Watch、Apple TVを組み合わせて使用するシーンを考えて欲しい、というアイディアが透けて見える。
Apple Watchアプリでは特にスポーツ、フィットネス、そしてヘルスケア分野のアプリの充実が進んでいる。常に手首に装着しているコンピュータは、我々の生活の中での活動をつぶさに分析することができ、そうしたデータを活用するアプリを揃えることは、結果的にApple Watchならではの活用方法を増やすことになる。
他方、Apple TVは、エンタテインメント分野がターゲットだ。モバイル世代は大きな画面のテレビを使わず、モバイルだけでテレビ番組やスポーツ中継を楽しむ傾向も出てきたが、別の理由として、テレビでは普段のネット経由での映像視聴の体験を引き継げないことがあった。
Apple TVがiPhoneユーザーのためのセットトップボックスである、と位置づけられていれば、iPhoneで楽しんでいるエンタテインメントをそのままテレビに持ち込めるようにすることが、最も重要なゴールとなる。
watchOS、Apple TV向けのOSの進化は、iPhoneのどんな体験をより拡張し、またどんなハードウェアの役割を今後持たせていくのかを考える上でも注目している。