アップルは6月5日から、シリコンバレーにある都市、カリフォルニア州サンノゼで、世界開発者会議「WWDC 2017」を開催する。今年も、1,500ドルのチケットを巡り、世界中の開発者が抽選に応募し、また当選しなかった開発者も、オンラインで中継される基調講演と、イベント後に公開される個別セッションのアーカイブを熱心に視聴する。
アップルのCEO、ティム·クック氏以下、役員が登壇する基調講演からスタートするWWDC。今回のイベントでは、iPad ProやMacBookシリーズ、そしてスマートスピーカーといったハードウェアの登場にも期待が寄せられている。
しかし本来のWWDCの目的は、開発者に対して、「最新のソフトウェアや開発環境の情報を共有すること」だ。そのため、2016年のWWDCのように、新しいハードウェアの話題に一切触れない基調講演は、むしろ本来の姿なのだ。ただ、数少ないアップルによるイベントであり、やはりハードウェアへの言及がなされることへの期待感も高い。
アプリ開発をする上で、それを動作させるハードウェアはもちろん重要であり、全く新しい、アプリが動作するハードウェアが出るなら、それを披露すべきだと考えられる。またアプリ開発の際に必須となるMacの最新モデルの登場は、開発者にとって、有益な情報となるだろう。
それでも、主役はアプリ開発のベースとなるOS群とAPIであり、参加する開発者だ。アップルはWWDC開催の前の週に、App Storeを通じて開発者に支払った金額が700億ドルを突破したことを発表した。
また、購読型の課金モデルを提供したり、アプリのマーケティング分析の詳細のデータを提供するなど、「何を作るか」だけでない、ビジネス面でのサポートも急速に整えている。