格安通信サービス「mineo(マイネオ)」を運営するケイ・オプティコムが新たなキャンペーン「ふぁん∞とく」の一部を1日から開始した。長期利用者を対象にしており、その内容はMVNO市場の機微な変化を読み取ったもので、抜かりがないように映る。
長期利用特典の中身と狙い
mineoが始める長期利用特典制度は、エントリーコード(6月1日開始)、電子マネーギフト(9月1日開始)、王国コイン(「マイネおみくじ」以外9月開始)の3つだ。いずれも契約年数に応じて付与される特典の量が変わる仕組みだ。
エントリーコードは契約事務手数料3,000円が無料になるコードで、電子マネーギフトは端末の追加購入や機種変更時に使えるものとなる。王国コインは、結果に応じてパケットがもらえる「マイネおみくじ」(6月1日開始)に使えたり、オリジナルグッズの抽選に応募できたり、リアルイベントに参加するために使えたりする。
この長期利用特典は、MVNO市場の機微な変化を読み取ったものだ。ユーザーデータを分析すると、最近の動向として、別の格安通信サービスから移ってくる人が増えているという。同社の経営本部 モバイル事業戦略グループ グループマネージャーの上田晃穂氏は「大手キャリアから来る人が今でも8割以上と大半を占めている。一方でワイモバイルからくるなど別の格安通信サービスから来る人も増えている」と話す。
今回のキャンペーンは今のうちからユーザーを囲い込んでおきたいという気持ちのあらわれとなる。長期利用を対象としたキャンペーンはMVNO初と謳っており、他社に先駆けて手を打ったことになる。
上記に記したキャンペーンの中身も抜かりない。ユーザー特典そのものが、契約者増を狙ったものを含んでいるからだ。
先に挙げたエントリーコードはわかりやすい。ユーザー自身の回線追加にも使えるが、家族や友人へユーザーがプレゼントすれば、ユーザー増につながる。電子マネーギフトも、自分自身のためではなく、新たにユーザーとなる家族のために使われることを想定してのことだろう。