会社を定年退職するときに受け取る退職金は、リタイア後の人生には貴重な財産となります。長年勤め続けた成果とも言える大切なお金ですから、少しでも上手に活用したいですよね。そんな退職金には、受け取り方にいくつかのパターンがあります。そこで、受け取り方の種類や、それぞれのメリットやデメリットをまとめました。
退職金の受け取り方、どのような方法がある?
退職金というと、一括で全額をもらうイメージがあるかもしれません。これまで企業の退職金といえば、退職一時金として一度に全額を支払われることが多くありました。近年では一時金のみに加え、すべて年金のほか、年金と一時金を一定の比率で受け取るなど受け取り方を選択できる企業も増えてきました。
勤務先によっては選択できない方法もありますが、企業に勤める50代の方は、退職後の生活を意識するようになり、どのようにして受け取るのが最もメリットが大きいのかと悩む人も多くいるようです。
受け取り方が違えば、当然そこにかかる税金も変わってくるため、どちらがよりお得なのかを吟味しておく必要はありそうですね。それでは、それぞれの受け取り方の特徴やメリット、デメリットを確認してみましょう。
年金で受け取るメリット・デメリット
まずは、退職金をすべて年金で受け取る場合です。年金を選択すると、受取期間中にも退職金の原資を運用することになるため、受け取る金額は一時金よりも多くなるのが一般的です。運用率は企業によって異なりますが、超低金利時代の今、銀行の定期預金に寝かせているよりはるかに利率は良いため、年金で受け取るのも悪くないと考える人は多いかもしれません。仮に年金の運用率が1~2%としたとき、自分で運用してそれを上回る利益を出せるという場合を除いては、年金を選択した方が良いでしょう。
もう一つ、年金で退職金をもらうメリットとしては、一括で大きな金をもらうより、年金として受け取る方が安定収入になり、管理も楽という点が挙げられます。一時金よりもらえる金額が多くなり、管理もしやすいとすれば、年金でもらうメリットは非常に大きいはずです。
ただし、年金を選択すると、特別な控除額があるものの、課税対象となる点には注意が必要です。退職金を年金で受け取ると、雑所得として公的年金と合算されて課税されます。後述しますが、現状では退職金を一時金として受け取る方が税制優遇があり、金額によっては全て非課税で受け取れる場合もあるというメリットがあります。受け取る金額が大きくても、実際には税負担が重くなると考えれば、必ずしも年金で受け取ることが得とは言い切れないでしょう。
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