ただし、これはあくまで「平均」です。つまり、高額な貯蓄をしている一部の世帯により、平均値が引き上げられていると考えられます。より実情に近い数値としては、「中央値」が参考になるでしょう。中央値とは、数字を小さい順に並べたときに真ん中にくる数字のこと。それでは、金融資産を保有する各年代の中央値を確認してみましょう。
■二人以上世帯
- 20歳代 215万円
- 30歳代 410万円
- 40歳代 602万円
- 50歳代 1,074万円
- 60歳代 1,500万円
■単身世帯
- 20歳代 158万円
- 30歳代 500万円
- 40歳代 789万円
- 50歳代 1,064万円
- 60歳代 1,323万円
なお、全年代における貯蓄額の中央値は、二人以上世帯で950万円、単身世帯で600万円となっています。各年代の数値も含め、平均値と比べてだいぶ金額が変わっていますね。また、年代が上がるごとに貯蓄額は増え、一定の世帯ではしっかりお金を貯めていることがわかります。
一方で、金融資産を保有しない世帯は二人以上世帯で30.9%、単身世帯で48.1%という結果に。何らかの理由で貯蓄ができていない世帯も、かなり高い割合となっています。このような貯蓄ゼロ世帯も含めれば、貯蓄の平均値、中央値はともにもっと下がります。その場合、二人以上世帯の平均値は1,078万円、中央値は400万円、単身世帯の平均値は822万円、中央値は20万円という結果になりました。
貯蓄の目的とは
それでは、貯蓄をしている世帯は、主にどのような目的でお金を貯めているのでしょうか。同調査によると、二人以上世帯における金融資産の保有目的は、「老後の生活資金」が最も多く、70.5%。次いで、「病気や不時の災害への備え」が65.7%、「こどもの教育資金」が28.8%と続いています。今や、老後資金の不安はどの年代にも共通するお金の悩みとなっていますが、そうした事情を反映する結果となっています。
一方で、「とくに目的はないが、金融資産を保有していれば安心」という回答が22.2%。目的はなくても、とりあえず貯蓄をしておくことで、いざという時の安心感につながると考えている人も多いようです。