インスタグラムで「#青もみじ」で検索すると、約1万3000件がヒットする(2017年5月26日現在)。秋の赤いもみじではなく、初夏の緑のもみじのことだ。
初夏の新緑は、春の桜、秋の赤く色づいた紅葉とも違った魅力があるが、この時期を青もみじの見ごろとうたわれ始めたのは、ここ数年のことだという。
「青もみじに関しては、10年くらい前に京都市から『キレイでいいんだよ』と提案があり、『そうだ 京都、行こう。』キャンペーンポスターで取り上げてきました。」そう語るのはJR東海営業本部観光開発グループの堀江隆行係長。新緑の良さをまだまだ伝え切れていないのでは、と「青もみじ」と「御朱印」をテーマにした旅行商品を提案した。
初夏の旅行需要を喚起
JR東海「そうだ 京都、行こう。」キャンペーンは今年、京阪ホールディングスとのコラボレーション企画として、5社寺(貴船神社、下鴨神社、河合神社、建仁寺、東福寺)の協力を得て「京都 青もみじ・御朱印めぐり」を企画した。
具体的には、往復新幹線と宿泊する方には宿泊代、そして「バス&えいでん 鞍馬・貴船日帰りきっぷ」や、「そうだ 京都、行こう。」オリジナル御朱印帳袋などの特典がついた旅行商品を、JR東海ツアーズなど大手旅行会社6社で販売するという(7月25日帰着まで)。日帰りきっぷを使って、沿線にある青もみじの名所をまわってもらおうというものだ。
貴船神社、下鴨神社、河合神社、東福寺の4社寺では、この旅行商品限定の特別な御朱印を先着1000人で拝受できる(期間は4社寺ごとに違い、初穂料・御朱印料が別途必要)。建仁寺では、6月16日~25日(18日、23日除く)に時間外の特別拝観も可能だという。
新緑、御朱印と一見、目新しさに欠けるツアーだが、このツアーには、今の京都観光に必要な需要を喚起する狙いがある。なぜJR東海は新緑の時期の御朱印ツアーを作ったのだろうか。