人生初の時計はセイコー製だった
会場では奥山氏と、セイコーウオッチ マーケティング三部の坂井重雄氏が登壇してトークセッション。その冒頭、奥山氏は「高校生のときに父親からもらった、生まれて初めての腕時計がセイコー製だった。そして三宅一生さんは、日本を代表するデザイナーの大先輩。今回、このお仕事を頂いて光栄だった」と明かした。
GTで目指したのは「プレミアムコモディティ」と「ラグジュアリーブランド」の中間。購入してから10年、20年が経っても古臭くならないもの、価値のあるものになるよう、デザインを練り上げた。
GTはカーデザインからヒントを得た部分も多い。例えば、12時のインデックス(ダイアル上の目盛り)を長く取り、対照的に6時のインデックスを短くした。自動車のスピードメーターを彷彿とさせるが、これにより視認性を高められたとのことだ。
手首に巻いたとき、フェイスがユーザー側へ傾き、見やすいポジションを確保できるのもGTの特徴。パーツの長さを変えた専用バンドを使っただけでなく、ラグにも工夫を施している。
「運転時に腕時計を見ようとしたら、フェイスが向こう側にずれていて針が見えない……、過去にそんな経験があった。GTでは高さと長さの異なる非対称のラグを採用することで、手首の上でフェイスがずれないようにした」(奥山氏)