ダイソンのコードレススティッククリーナーは販売数量も1位に
発表会では、グローバル カテゴリー ディレクター フロアーケアのジョン・チャーチル氏が登壇。「モーターはV7用に新たに開発しました。モーターの開発にあたって、20人のエンジニアが800台のプロトタイプをテストし、バッテリーを1,000回以上テストしています」と語った。
また、ダイソンの日本法人で代表取締役を務める浅野信弘氏は、「ダイソンが1998年に日本で販売を始めて来年(2018年)で20年になります。昨年(2016年)はついに掃除機のカテゴリーで、販売数量も1位になりました。日本で販売される掃除機マーケットの半分以上をダイソンが占めており、金額では60%を越えています。私たちがこの市場を作ったといっても過言ではありません。実際のところ、320万の世帯でダイソンのコードレススティッククリーナーが使われています。日本の世帯数(編注:約5,340万)を考えると、まだまだ伸ばしていく余地があると思っています」と語った。
「コードレス掃除機の比率は年々増えています。吸引力は問題ないですし、何よりコードがなく手軽に掃除できます。日本では、コードレス掃除機をメインの掃除機として使う方も増えてきました。2017年は、40%はコードレスタイプになるのではないでしょうか。
近い将来、7割から8割がコードレスになると思っています。日本の家庭ではコードレスでも十分なので、もっと伸びるかもしれません。ダイソンもシェアを伸ばし、すべての掃除機の中で数量のシェアを50%に引き上げたいと考えています」(浅野氏)
ジョン・チャーチル氏に聞く
発表会のあと、ジョン・チャーチル氏に話を聞くことができた。氏が強調するのは、世界中で「コードレススティッククリーナーをメインの掃除機」として使うユーザーが増えていること。例えば米国では、ダイソンV8シリーズを使っているユーザーのうち、70%がメインの掃除機だという。
「コードレス掃除機」全般に対して、心理的に一つの壁となるのはバッテリーによる稼働時間だが、広い家が多い米国でも、大半の家庭がV8の最長40分稼働で十分というデータが出ている。また、コードレス掃除機とコード有り掃除機を比較すると、掃除機を準備する・掃除する・片付ける……という一連の動作にかかる手間は、コードレス掃除機のほうが約35%も少ないそうだ。
新モデルのV7シリーズは、稼働時間はV8より短い最長30分だが、動作音が小さくて本体が軽い。この最長30分という設計にもデータ上の根拠があり、多くの家庭でこと足りる稼働時間なのだ。自分の家を思い浮かべてみても、30分連続で掃除機をかける場面はほとんどないのではないだろうか。
一方で動作音に目を向けると、バッテリー稼働時間や吸引力を多少は妥協しても、静かさを望むユーザーはけっこういるそうだ。チャーチル氏は特に日本とは限定しなかったが、集合住宅、戸建て住宅が並ぶ地区など、実感できる人も多いだろう。また、女性にとって、掃除機が軽いほうがありがたいのはいうまでもない。
今回のV7をレーダーチャート的にながめると、凹凸が少ないバランスモデルだ。最上位のV8には稼働時間と吸引力で及ばないが、V7は静音性と軽さ、値段で勝る。エントリーモデルのV6と比べれば、稼働時間や静音性でV7のほうが優秀。V8、V7、V6というダイソンのコードレススティッククリーナーの中で、V7は選びやすいミドルレンジモデルといえそうだ。