中野ブロードウェイは、意外にも昭和だった
中野ブロードウェイには、「まんだらけ」など、サブカルチャー系の店舗が多く集まっている。サブカルと言うと新しい日本文化のイメージがあるが、中野ブロードウェイ自体は昭和41(1966)年にオープンしたという。
「本当だろうか」と思う人は地下へ降りてみてもらいたい。天井の低い地下街は薄暗く、道は入り組んでいる。肉屋あり、八百屋あり、立ち食いそばあり、パンチパーマにエプロンのおばちゃんが物色していそうな服飾店ありで、いかにも昭和なのだ。昭和生まれの筆者は、ほのかに漂う匂いに懐かしさを覚えたほどである。ある意味、この地下街の「間違いなく昭和が現代に生きている! 」というような雰囲気も含め、日本のサブカルと言えるかもしれない。
1~4階には、アニメ、漫画、フィギュア、コスプレ、ガチャガチャなど、まさにサブカルのお店が主なものの、なぜか高級時計の店も多い。昔懐かしのおもちゃの店を見ると、その昔、薬局のオマケでもらったようなゴム製のカエルの指人形に6,000~1万円といった高値が付けられていた。時間というのは不思議なものだ。
そのほか、アンティーク家具を使った喫茶店や、昼間からビールやウイスキーを楽しめるお洒落なカフェバーなどもある。サブカルに興味がない人も、一度のぞいてみてはいかがだろうか。
"都会の公園"でリラックスも
中野には中野サンプラザのほか、「なかの芸能小劇場」「ポケットスクエア」「なかのZERO」など、たくさんの劇場がある。そしてまた、意外と公園もたくさんある。
再開発で登場した「中野四季の森公園」は、2012年に設置されたばかりの公園だ。あたりにビルは見えるが、ほどよく自然を堪能できる程度の木々と芝生がある。大学が近いからか、ウッドデッキにはたくさんの学生が腰かけていた。ケータリングカーやカフェなどもあり、洗練されつつもリラックスできる、都会的な午後を過ごせるようだ。
もっとワイルドな自然なら、南口にあるなかのZEROに隣接した「紅葉山公園」をオススメする。大正時代には私有地であり、紅葉が植えられていたのだそうだ。敷地はそんなに広くないものの小さな山のようになっていて、人は少なく、池には亀が泳ぎ、鳥が鳴く。現役を退いた「国鉄C11形蒸気機関車」もなぜか展示されている。ひっそりとした時間を過ごしたい時にいいだろう。
中野駅周辺は、現在も大規模な再開発が進行中だ。中野サンプラザも2025年(予定)には建て替えられ、真新しい風貌となっているだろう。願わくば、古い商店街は残っていてもらいたいものだが、どうなっているだろうか。念のため、今のうちに訪れてみてはいかがだろうか。
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筆者プロフィール: 木口 マリ
執筆、編集、翻訳も手がけるフォトグラファー。旅に出る度になぜかいろいろな国の友人が増え、街を歩けばお年寄りが寄ってくる体質を持つ。現在は旅・街・いきものを中心として活動。自身のがん治療体験を時にマジメに、時にユーモラスに綴ったブログ「ハッピーな療養生活のススメ」も絶賛公開中。