セリフがほとんどない役に
――今回の現場では同年代が多かったのかなと思いましたが。
同年代ではありますが、女の子はみんな年下だったので、新鮮でした。私ももう「1番上の方の年齢なんだ」と思って。今までずっと1番下だったので、ちょっと怖かったです。ただ自分が引っ張ろうとは意識せず、野村(周平)さんにお任せしていました。
――現場はどのような雰囲気でしたか?
野村さんが明るくて、ムードメーカーでした。ケイと真逆のキャラクターだったので、最初どうしたらいいのかわからなかったんですけど、だんだん慣れてきて(笑)。それもギャップがあって面白いなと思いました。
平祐奈さんは、大ファンになりました。現場にいるだけで癒されます。年下でかわいらしさもあるけど大人で、不思議な子だなと思いました。めっちゃくちゃかわいくて、「何でこんなにかわいいんだろう?」と思いました。
――黒島さんが演じられていた春埼は、かなりおとなしい役柄でしたよね。
セリフが全然なかったです(笑)。セリフに頼ることができなかったので、表情の変化でどう伝えるのか、監督とも相談しながら演じていました。セリフ量が多い野村さんからは「なんで俺ばっか話しているんだ、ずるい」と言われて、「すいません」と謝りました(笑)。
転機となった作品に
――様々な作品に出られていますが、これまでに何か転機になった作品はありますか?
お芝居ってこうやるんだ、と思えたのは、映画『ストロボ・エッジ』でした。廣木(隆一)監督にいろいろと指導していただいたことが大きかったです。あの頃はついていくのに必死で、とりあえず「わかりました」と返事をして、やってみるという感じだったのですが、「お芝居って、こういう気持ちでやるものなんだ」ということを教えていただきました。
それは技術や見せ方だけではなく、気持ちを持っていくということで。こうやってゆっくり時間をかけて考えるんだ、ということが初めてわかったし、「お芝居って難しいな。ただ楽しいだけじゃないんだな」と思いました。10代のうちにわかったのは良かったです。またいつか、廣木監督とご一緒したいと思います。
――ちなみに現在、ドラえもんと「マイナビ2018」のCMにも出ていただいていて。
ずっとドラえもんが大好きだったので、「ドラえもんと共演できるんだ!」と、とても嬉しかったです。撮影は、「あそこにドラえもんがいる感じで」とイメージして行ったんですが(笑)。写真撮影の時には、スタジオにドラえもんの置物がいて、「すごい!」と思いました。
――黒島さんは大学生ながらお仕事もされているという状況ですが、何か同年代の人にアドバイスをいただければと思います。
まだ見つけられない方もいるかもしれないですが、やりたいことがあるだけで、違うと思います。自分のやりたいことをちゃんと見つけて、それが好きになれたら一番いいんじゃないかなと思います。
私も20歳になって、色々な人から「おめでとう」と言ってもらって、大人としての責任と自覚というか、「自分でちゃんとやっていかなきゃいけない」ということをすごく感じて緊張しました。その緊張感も、大事なのかなと思いました。
――20歳で大人の責任を自覚できるのはすごいと思います。黒島さん、かなり考え方が大人っぽいですよね。
でも、悟りすぎてしまうと役の気持ちが理解できなくて「なんでこういう行動を起こすんだろう?」と思ってしまうのかなと。高校生の役が多いのですが、考えがどんどん変化していて、高校生の時の気持ちがだんだんわからなくなっている自分がいたんです。「やばいな、まだ制服着る予定なんだけどな」と思います(笑)。
――今回の作品で「わかる」と思ったのはどういう行動でしたか?
春埼の「泣いている人を見たときに、リセットの能力を使う」という考え方は、大人びているし、優しさがあって感動しました。自分のためじゃなくて、人のために使ってあげるというのが、かっこいい。他人のことを考えて、いろんな人を見ているところがすごいなと思いましたし、そういう人になりたいです。