自然や文化体験も! 楽しみ方は様々
美山では、かやぶきの里(伝建地区)の外にも楽しみは多い。かやぶきの里の向かいには大型駐車場のほか、飲食や買い物ができる「悠々ひろば」など、商業施設が並ぶ。
石臼挽きした美山産そば粉を使った手打ちそばが食べられる「お食事処きたむら」は、もりそば(税込820円)のほか、とろろ、大根おろし、梅の三種が楽しめるそば三昧(税込1,230円)なとがそろう。「お土産処かやの里」は、自家栽培のモチ米やキビなどを使った餅や団子が人気だ。
美山町では2016年7月、日本版DMO候補法人「南丹市美山観光まちづくり協会」が設立され、様々な自然や文化体験ができるガイドツアーも充実している。京都大学芦生研究林の「芦生の森」では4~11月、一般には入林できない貴重な森を歩くネイチャーガイドトレッキングツアーが開催され、ハイカーに人気だ。
「美山町自然文化村 河鹿荘」はレストランのほか、一泊6,480円(税込)から利用できる宿泊施設、キャンプ場などを備え、宿泊者に向けて様々な体験ツアーを提供している。6月17日~7月2日は「ホタル観賞バス」(要予約、宿泊客限定無料)を毎日運行する。
一泊2食付きは平日・日祝利用で最安9,180円(税込)で、一室ひとりで利用の場合、1,080円が割り増しとなる。河鹿荘は南丹市営バスの終点のバス停(知見口)が目の前にあり、アクセスにも優れている。かやぶきの里へも約2kmと歩いていける距離にもあり、清流美山川(由良川)沿いには遊歩道が整備されている。公共交通を利用する人には便利な宿だ。
ジビエ料理もプリンも魅力
美山町へのアクセスは公共交通を利用する場合、JR京都駅から福知山線の園部駅へ快速列車で約35分、そこから南丹市営バスに乗り換えてかやぶきの里(北)まで約50分で着く。
町内には22カ所の宿泊施設があるが、美山町は西端の大野ダムから東端の芦生の森まで直線約36km、車で移動しても1時間以上かかる。公共交通はバスのみで本数も少ない。移動は徒歩か、レンタサイクルとなる。目的や交通手段によって宿選びをしてほしい。
美山はジビエ料理を提供する宿やレストランも多い。スタッフ自ら狩猟した獣肉や地域で採集した美山の旬の恵みをいただけるスローフードレストラン「田歌舎」は、宿泊も可能だ。もうひとつ、美山で見逃せないのがご当地プリンの多さだ。道の駅「ふらっと美山」には、6~7種類のこだわりプリンが並んでいる。3種を食べ比べしてみたが、これがまた全く異なる個性を持っていた。
5月末には鮎が解禁となる。そして8月には鮎まつりも開催される(2017年は8月13日)。一度、日本の原風景、美山を訪れてみてはどうだろうか。
筆者プロフィール: 水津陽子
フォーティR&C代表、経営コンサルタント。地域資源を生かした観光や地域ブランドづくり、地域活性化・まちづくりに関する講演、企画コンサルティング、調査研究、執筆等を行っている。著書に『日本人がだけが知らないニッポンの観光地』(日経BP社)等がある。