基本的には、五月病の原因となるストレスから離れられれば、症状は改善する。しかし、ストレスから離れられない状況であれば、その状況に適応する力をつける必要がある。五月病の予防または症状緩和に資する、ストレス適応力を高める方法をいくつか紹介する。
好きなことに没頭する
趣味などの好きなことや楽しい作業に没頭すると、脳内にドーパミンが分泌される。ドーパミンは「快楽」の源となる物質で、食欲や性欲なども増進させるため、生活に意欲を生じさせる。
ストレスに負けない食事
ストレスがかかると、ホルモン合成の促進によりビタミンBやビタミンCが消費される。また、カルシウムやマグネシウムの尿中排泄が進み、タンパク質の分解が進む。ストレス下においては、これらの不足しがちな栄養素の補給が必要となる。
運動によってポジティブに
マラソンなど、継続して運動をしているときに分泌されるβ-エンドルフィンは、気分を高揚させ、幸せな気分をもたらす。この物質は、笑っているときやおいしいものを食べているときなどにも分泌される。
また、ウォーキングやサイクリングなどで一定のリズムで体を動かすと、心を落ち着かせる作用のあるセロトニンが生成される。セロトニンが不足するとうつ病や不眠症などの問題が発生しやすくなると言われているが、逆に十分に分泌されていればストレスに強くなる。
規則正しく十分な睡眠をとる
睡眠不足になると脳の疲労が回復できず、「感情がコントロールできない」「気力が低下する」「自律神経やホルモンバランスがくずれる」などの症状が引き起こされる。また、就寝・起床時間が不規則だと体内時計が乱れ、不調の原因となる。休日に睡眠時間を増やす人は多いが、平日と休日の睡眠時間差を2時間以内にすると、休み明けの不調を回避できる。
おかしい、辛いと思ったら
症状が生活に支障をきたしていたり長引いたりする場合、それは単なる五月病ではなく、適応障害やうつ病である可能性もある。上記の対応方法は誰でもできることだが、自身での解決が難しくなった場合は同僚や友人に相談する、または精神科や心療内科を受診してほしい。自身の健康は自身で守ることが基本であるが、一人で抱えきれないことは積極的に助けを求めるべきである。
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記事監修: UHC
東京日本橋にあるベンチャー企業のユナイテッド・ヘルスコミュニケーション(通称UHC)。健康増進アプリ「Wity(ウィティ)」を開発する一方、大手製薬企業のコンテンツ開発を担うなど幅広く活動。社員は心理学、看護学、ロボット工学などの研究者・専門職が多数を占める。皆個性が強く不思議な空気感が漂うが、今日も仲良くお仕事中。