新年度になり1カ月が経過した。毎年この時期になると「五月病」という言葉を聞くようになるが、その実態を問われると解答に困る方も多いのではないだろうか。
以前は新入生や新入社員に特有と思われていた五月病だが、昨今では中高年にも起こるという。今回は五月病の実態とその解決策に着目する。
そもそも五月病とは?
五月病とは仕事や学校、引っ越しなどの環境の変化に適応できず、焦りやストレスを感じ、気持ちが落ち込むうつ状態の通称である。正式な病名ではなく決まった概念や定義もないが、医学的には「適応障害」や「うつ」に該当する場合がある。
通常、症状は一過性であり、抑うつや無気力、不安感、焦り、疲労感などの精神的症状や、食欲不振、不眠、胃の痛み、吐き気などの身体的症状がみられる。これらの症状は、ストレスによる自律神経やホルモンバランスの乱れに起因するとされている。
基本的にはストレスが原因
原因は基本的にストレスであり、例えば新しい学校や職場に対する失望、新たな目標の喪失などが挙げられる。また、4月中は新しい環境での自分の位置づけができていないため、日々緊張感をもって過ごしているが、5月頃よりある程度状況が把握でき、客観的に自分を振り返ることができるようになる。そのため、それまで過度に頑張っていた人は一気に疲れを感じ、さまざまな症状が引き起こされる。