ハードウェアの新しさだけではない。Android TVは最新バージョンであるAndroid TV 7.0を搭載。独自の音声解析アルゴリズムを採用した「音声検索」が進化して、リモコンからの音声操作で録画予約が可能になったほか、小画面表示やタスク切り替え、かんたんメニューなど、スマートフォンライクな操作性がますます充実している。

河野社長の報告によれば、インターネットに接続してコンテンツを楽しむのが当たり前になってきたことで、テレビの平均視聴時間が月に10時間以上伸びているという。また、前述の音声検索機能は約7割のユーザーが利用しているそうだ。

これはつまり、地上波の番組をなんとなく流して観る旧来型の視聴スタイルから、自分の観たいコンテンツを積極的に選んで楽しむ新しい視聴スタイルへと移り変わってきているということであり、BRAVIAがインターネットや新しい技術に高い親和性を持つユーザーに支持されていることが伺われる。

「これから買うテレビはこういうテレビだと提案していく」(河野社長)。

リモコンの音声検索ボタンの利用率は68%にものぼり、月平均利用回数は46.2回だという

体験スペースでは、A1シリーズの65V型と55V型を並べて展示していた。目に見えるスピーカーユニットやスタンドがないことや、狭額縁なこともあり、空間に映像だけが浮かんで見えるようなデザインになっている。4Kの解像感と有機ELならでは締まった黒による迫力は、やはり55V型以上の大きい画面でこそ引き立つと感じる。

アコースティックサーフェスは画面そのもので音を再生するため、画面で描画されている音の発生源がよく分かり、音声の移動などもリアル。実機のデモは風景の映像に音楽の再生が当てられていたので分かりづらかったが、映画やスポーツのようなコンテンツなら目で音を追う楽しみも味わえそうだ。

体験スペースの展示。画面に触れてみると振動が感じ取れる

A1シリーズの反応次第では、液晶テレビのラインナップにこのアコースティックサーフェスを採用したモデルが登場する可能性もあるだろう。今後の展開を楽しみにしたい。

なお、5月8日から、全国のソニーストア(銀座、札幌、名古屋、福岡天神)でA1シリーズの先行展示を開始しているほか、6月11日までソニーストア シアタールームにて特別体験会も実施している。

家電量販店の店頭でもしっかり訴求していくとのことだったが、やはり音の体験に関しては騒がしい店頭は分が悪い。気になる向きはぜひソニーストアを利用してみて欲しい。

発表会での撮影写真。本体背面の衝立てのようなスタンドはウーファーになっていて、アコースティックサーフェスによる画面の振動だけでは難しい重低音の再生を担う。本体背面の中央に水平に伸びる棒状のパーツを置き、その左右の端にアクチュエーターを配置して、画面を振動させている