ソニーは5月8日、薄型テレビ「BRAVIA」の新製品発表会を開催した。CESでも注目を集めた4K有機ELテレビ、BRAVIA「A1シリーズ」や液晶テレビなど、5シリーズ12機種を6月10日から順次発売する。全モデルでHDR(ハイダイナミックレンジ)への対応をうたっており、本格的な4K HDR時代の到来を印象付ける内容だ。

BRAVIA A1シリーズは、65V型と55V型が6月10日の発売。77V型は2017年秋の投入となる

今回発表された新モデルのスペックや価格など概要については、個別の記事を参照して欲しい。本稿ではこの夏商戦の目玉となるA1シリーズを中心に、発表会の様子をお届けする。

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開会に際して壇上に立ったソニーの高木一郎執行役EVPは、開口一番、「たゆまぬ商品開発と生産から販売に至るエンドトゥエンドのオペレーションの強化により、テレビ事業の収益は年々改善している。2017年も更なるソニーの進化に期待して欲しい」と力強く語った。

ソニーの高木一郎執行役EVP

この自信に満ちた姿勢の背景には、2012年にいち早く4Kテレビを商品化して以来、ここまで常に業界をリードしてきたことや、熾烈な世界市場で高い競争力を示してきたことなどの自負が感じられる。

2017年のテレビ事業の商品戦略については、従来の(1)臨場感、(2)デザイン、(3)使い勝手の3つの軸を変えることなく、それぞれ進化させていくと話す。

特に高画質、高音質による臨場感を実現するうえで、大きな武器となっているのが、進化した4K高画質プロセッサー「X1 Extreme」だ。有機ELテレビと液晶テレビの双方に最適化した状態で搭載しており、HDRコンテンツの視聴に最適な画質を提供するという。

ソニーの4Kの55V型テレビの金額シェアは、世界第3位。国内メーカーでは圧倒的な第1位であり、高木執行役は「業界をリードしていくプレミアムブランドとしてのポジションの確立に成功している」と強調する

続いて壇上に昇ったソニーマーケティングの河野 弘代表取締役社長は、BRAVIA初の4K有機ELテレビとなる「A1シリーズ」をアンベール。有機ELならではの、黒が引き締まった高コントラストな画面、有機ガラスを振動させて音を出す独自技術のアコースティックサーフェス、狭額縁とスタンドレスの新しいデザインなどにより、「新次元の没入体験を実現した」と述べた。

ソニーマーケティングの河野 弘代表取締役社長。A1シリーズの画面に映し出される映像の立体感の高さには驚かされる