久しぶりのキュート系ソング
――3曲目はかわいらしいイメージの「レッドラズベリー」。
デモでメロディだけを聴かせてもらったときは、「日常がうまくいかない、情けない主人公の歌かな」と思っていたんですけど、歌詞をいただいたらぜんぜん違っていて、超うまくいっている(笑)。そういう捉え方もあるのかって思いました。「レッドラズベリー」も自分とはかけ離れている存在を歌っているんですよ。男の人を手玉に取るような小悪魔的女性の曲なので、なかなか自分の中から出すのが難しかったですね。
――やっぱり感情移入もそこまではできず。
ちょっとできなかったです(笑)。でも、「すごいなこの子は!」って思うことは多かったです。"コイシナサイ マヨワズ I HEARD THAT!"とかすごい子だなって。私とは住む世界が違いますよね。こういう子は見ていてスカッとするので、きらいになれないタイプですね。レコーディングをするときにイメージしていたのはJUDY AND MARYのYUKIさんみたいな歌い方でした。自分なりにつかめてきたのが2番くらいのときですね。
――そこを意識して聴いていると、切り替わった瞬間がわかるかもしれない。 ですね! かわいいなかで、一気にいつもの強い気持ちに戻る瞬間があったんですけど、自分でも「あー、イキイキしているな」って思いました(笑)。
――レコーディングはほんとに戦いながらって感じですね。
自分との戦いでしたね。3曲のなかで一番苦労したかもしれないです。でも、イメージできてからは面白かったです。落ちサビのところもウィスパー気味に歌ってみたり、女の子を意識してみたり。
――最後のフレーズ、"YEAH…! CRAZY ABOUT YOU!"なんていいですよね。
もう絶対に一生言わない言葉ですよそれ! なんじゃそりゃーって(笑)。もうここらへんは振り切れてたんで、どうにでもなれと、恥ずかしさはなかったですね。作詞をしてくれた結城アイラさんはすごいですよ。最後は「ちゅう」で終わる音にするという、絶妙さ加減が素晴らしいです。でも、「レッドラズベリー」はかわいいロック曲なので楽しくもあり難しくもありでしたね。最近ではこういったキュート系ソングは久しぶりなので。
――田所さんの初期楽曲はかわいい系が多かったイメージですけど、最近はロックに寄ってきているので、懐かしい感じがしますね。
いやー、もう必死に想像をめぐらせて歌いました。"溶けちゃいそう"とか、「しつこいくらいアクセントを置いていいから」と言われたんですけど、難しかったです。かわいいのレパートリーがぜんぜんないってことに気付きました(笑)。これを機に増やしていければと思います。
――こういうキュートロック路線はこれからもやっていきたいですか?
ん~~~~~! 不得意分野ではあります(笑)。
日本三景のうち、あと二景を
――4月9日から、全国8都市をまわるライブツアー「AZUSA TADOKORO LIVE TOUR 2017 ~DilEMmA~」が開催中ですね。
5月4日の東京・EXシアター六本木での公演は、集大成という意味でも楽しみですね。最終ゴール地点を目指してがんばっています。
――見ていると、だいぶリラックスしてライブに挑まれていますよね。
最近、舞台袖に入るまで緊張しないんですよ。脳が働いてくれなくて(笑)。2017年1月に開催された「リスアニ!LIVE 2017」で日本武道館に立ったときも、ステージに出てスポットライトが当たってもまだ自覚していなかったんですよ。階段を降りているときに「やばー!」って。
――むしろその度胸がすごいですね。
昔は足も声も震えてろくに歌えなかったのに、いまや自覚もしないという(笑)。一番良いところを通り越しちゃったのかな。
――これまででもっとも緊張したステージは?
やっぱり『アイマス』の8thライブ(「THE IDOLM@STER 8th ANNIVERSARY HOP!STEP!!FESTIV@L!!!」)ですね。もう、怖すぎてガタガタしちゃって。反響をいただいてうれしかったんですけど、それ以外のことは覚えていないんです。あ、歌い終わったあとに泣いていた覚えはあります。
――逆にリラックスできたステージは?
あ~~。『アイドルマスター ミリオンライブ!』のステージはリラックスできますね。先日行われた日本武道館公演(「THE IDOLM@STER MILLION LIVE! 4thLIVE TH@NK YOU for SMILE!!」)も割とリラックスしていました。ちゃんと周りを見られるくらい視野が広くなったのかな。
――たしかに、3rdライブ幕張公演の二日目の最後は……。
いや、あれはリラックスしていたからじゃないですかね! 全然みんな忘れてくれないんですよ! 恐ろしい! あのときはほんと「終わったな」って思いました。
――頭を抱えていましたね。
めっちゃ肝が冷えましたよ。「現実ってなんだっけ」ってくらい、ふぁ~ってなりました。ずっと謝り倒していました。
――実はライブ前に集中するためになにかしていることはあるのかを聞こうとしていたんですけど、特にないんでしょうか。
ないですね~(笑)。
――前日の夜に集中力を高めるために何かをやるとかは。
ないんですよー。でも、そういうルーティンみたいなものは欲しいんですよね。深呼吸をするくらいしかなくて(笑)。
――いい方法を募集中ですね(笑)。ほかのホリプロのみなさんもガンガンツアーをまわっていますけど、会ったときにそういうお話をすることもありますか?
しますします! あやかちゃん(大橋彩香)も大変そうでしたし、Machicoさんとは「歌詞が覚えられないよ―」、「もういっそ覚えるのやめよう」みたいな話をしています(笑)。
――最後に、最近の田所さんは"週末"なにしてますか? とはいっても、土日などはイベントなどがあると思いますので、お休みの日は。
そうだな~。お休みの日には録画を消化していますね。最近はドラマの『カルテット』を観ていました。めっちゃ面白かったです。
――これからチャレンジしてみたいこととかは?
結構やり尽くしちゃった気がするんですよね。一人旅もしたし、初幹事もしたし、初武道館にも行ったし……。あっ! 仕事で沖縄に行きたいです。ダイビングがしたいです。
――ダイビングをやりたかったんですね。
いや別に(笑)。
――えっ!?
とにかく沖縄に行きたいんです。仕事で、誰かに連れて行ってもらいたいんです(笑)。ダイビングはやったことがないのでっていう。
――なるほど……。スカイダイビングとかに挑戦してみるのはいかがですか?
うわー、ふわっとするのは絶対にいやですね……。
――ライブ中に飛んでみるとか。
あ、それならいいですね。でも吊られるのはいやです!(笑)。ポップアップとかで飛ぶならいいですけど。うーん、あ、フランスに行ってフランパンにチーズとパンを挟んで食べるっていうのをやってみたいです! でも、やっぱり家が好きなんですよねえ。すぐに帰りたいタイプなので。
――現場と現場の間に時間があれば家に帰りますもんね。
そうなんですよ。3時間だったら帰るか悩みますけど、5時間あったら確実に帰ります。ひとりだとすぐ帰りたくなるんですよね。京都に一人旅で行ったときも「今度は友だちと来よう」と思いましたし。あ、でもこの間はじめて松島に行ったんですよ。日本三景のうちのひとつを見たので、あと二景を見てみたいと思います!
田所あずさ6thシングル「DEAREST DROP」
発売日:2017年4月26日
●アーティストジャケット盤
価格:1,300円(税抜)
収録内容
01 DEAREST DROP
02 残存エレジー
03 レッドラズベリー
●アニメジャケット盤
価格:1,200円(税抜)
01 DEAREST DROP
02 残存エレジー
03 DEAREST DROP(off vocal)
04 残存エレジー(off vocal)