監修に入ってもらった”貴族”
――今回は主人公が貴族ということですが、役作りについて何か特別なことはされたのでしょうか?
所作についてはマナーの先生についていただきました。さらに、貴族のことを研究している作家さんに監修をお願いしています。僕らが知らない使用人と貴族の関係性や、日常生活の中でどういうやり取りがあるのか、よくご存じの先生に脚本をチェックしてもらっています。
ただ、本当の貴族(中世ヨーロッパの貴族)に合わせて演じていただくと、これはこれでガチガチになってくるんですよ(笑)。最初は「貴族とはこういう動きをする」「喋り方は泰然自若としていて、笑うときにも歯を出さない」とか、いろいろなことを教えていただいて実践していたんですが、テンポのいい会話と組み合うと、貴族のところでスピードがダウンしてしまい……。面白いといえば面白かったんですが、もうちょっとナチュラルでいいんじゃないかな? と(笑)。フィクションですし。今も、「これだけはやってはいけない」ということは守るべく、チェックしていただいています。
まあ、海外の貴族、というか王子様でさえも色々な方がいるわけじゃないですか。だから貴族も色々な人がいていいだろう、ということで、相葉くん演じる貴族探偵のキャラクターができあがっています。
――そうなんですね。でも少し普段の相葉さんのイメージよりもゆったり喋られている印象はあります。
どんなにカジュアルに動いたり話したりしても、優雅さと品だけは意識してほしいという話はしていて、彼も理解してくれています。でも、なかなかないですよね、貴族を演じるって(笑)。ヨーロッパやハリウッドなら、あるかもしれないですが。
今後の見どころ
――基本的には1話完結型だと思いますが、最終回へ向けての収束していく部分はあるのでしょうか。
縦線は作っています。女探偵・愛香(武井咲)の師匠・喜多見切子(井川遥)は一体、何者なのか、1年前に貴族探偵といったい何があったのか? ということを少しずつ解き明かしていき、最後に回収していきたいと構想しています。師匠のキャラは、最初は原作そのままの設定(男性)で、と思ったんですが、脚本を作っていく段階で、何か変わった改変が出来ないかなと思案したときに、謎めいた女性というキャラクターにしてみようと思いました。
――では、最後まで見守らなければですね。他にここを見て欲しいというところはありますか?
貴族探偵が、この先一体どうやって使用人たちとともに事件を解決していくのか、そしてどういう風に周囲の人たちを振り回していくのか、という面白さ。何というか、変わったキャラクターなんですが、実はちゃんとした人でもあるんですよね。その魅力が浮き彫りになっていくと思いますので、是非ご期待ください。また女探偵が徐々に成長していく姿にも是非ご注目を。最後になりますが、本格的ミステリーですので、毎週起こる不可解な殺人事件と女探偵と貴族チームによる、その謎解きを是非お楽しみください。